hr-Sinfonieorchester(フランクフルトに拠点を置くHR交響楽団。旧名フランクフルト放送交響楽団)の2010-11シーズンの初日演奏を聞きに、Alte Oper Frankfurtに行ってきました。
本日の演目は、ショパンのピアノ協奏曲第一番とショスタコーヴィチの交響曲第5番。
どちらも大好きな演目です。
この日客演で指揮したのがMr.Sことスタニスワフ・スクロヴァチェフスキ。
ポーランド出身の86歳の巨匠で、2007年から3年間、読売日本交響楽団の常任指揮者だったこともあり、日本でもお馴染みの指揮者です。
この日のピアニストは、同じくポーランド出身(現在はミュンヘン在住だとか)のエヴァ・クピーク。
ポーランドの英雄、ショパンの演奏で有名なピアニストで、Mr.Sとのコンビで世界各地のオケとショパンのピアノコンチェルトを競演しているだけあって、完全に2人の世界観が出来上がっている感じでした。
一方、目を閉じるとまるで東欧のオケを聞いているみたいな印象があり、生真面目なドイツのオケがその世界観についていくのが、ちょっと必死な感じでした。(笑)
でもショパンのコンチェルトなので、これでいいのかもと思ったりしもして。
エヴァ・クピークはかなりベテランのピアニストですが、結構イケイケの人みたいで、さああなた達、私についてきなさいよ~的な感じが、演奏だけでなく見た目でも客席からアリアリとわかる感じで(今回は中央近くの前から9列目で、表情が丸見えだったこともありますが)、そういった意味でもちょっとオケが「引き気味」だったのかもしれません。(笑)
個人的には強い女性より、カワイイ女性の方が好きですが、でもこと音楽に関して言えば、そういうスタンスは嫌いじゃなかったりします。<実は自分もオレサマ系なのか???(笑)
さて、ショパンのピアノ協奏曲第一番には、ショパンの故郷ワルシャワに対する告別の思いと、飛翔の意味が込められているといわれる曲ですが、演奏を聞いていると、東欧の情景がすーっと浮かんだ後、その故郷へ別れを告げるかのような、どことなく寂しげなメロディーが自分の中の望郷の思いとシンクロして、演奏を聴きながら、なんだか涙が出そうになりました。
エヴァ・クピークはちょっとステージ上では存在感ありすぎな感じでしたが(笑)、ショパン弾きのピアニストとして、本当に本当に素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、音大生だった大学時代まで自分が管楽器奏者だったこともあり、高校時代から非常に馴染みの深い曲で、本来第4楽章が好きなのですが、この日のhr演奏では2楽章が特に素晴らしかったです。
昨年の同オケを聞いた印象ではブラスがちょっと弱いかな?という印象だったものの、今日のショスタコーヴィチを聞いた印象では、格段に良くなっていて、今シーズンの開幕ということもあってか、オケも特に熱が入っていて、素晴らしい演奏をしていました。
昨シーズンから聴きはじめたばかりのhrですが、実は知り合いが在籍してることもあり、今ではすっかりオラが町のオーケストラという感じです。(笑)
今回は大好きな演目ということもあって、チケット代を払うからと手配をお願いしたのに、また今回もご招待戴いてしまって、本当に恐縮しているのですが、自分にとって今日の演奏はチケット代100EURでも全然OKと思える程、素晴らしい演奏で、何だか沢山元気をもらって帰ってきました。
自宅からすぐ近くで素晴らしい演奏が聴ける環境があるというのは、やっぱり欧州の素晴らしい点の1つだと思っています。
特にドイツでクラシックコンサートを聴かないのは、たぶん日本で日本食を食べないことや、イタリアのナポリでピッツァや、ボローニャでパスタ(タリアテッレ)を食べない位もったいないことだと思います。
また余談ですが、上質な音楽の生の演奏を聴くと、体の中の悪いものが抜けて、良いパワーが入ってくる感じがあります。
スピリチュアルなことはよくわからないのですが、ステージからエネルギーが伝わってくる感じがあるので、ある意味気孔に近いようなものかもしれません。
健康の為に?少なくとも月イチぐらいでコンサートに行かなくてはなんて思っていますが、本当は最低月イチで音楽家として演奏活動しなくてはいけないんじゃないか?と、自分にツッコミを入れてみたりして。。。(汗)