拝啓、世界の路上から

ギター片手に世界を旅するミュージシャン&映画監督のブログ(現在の訪問国:104ヶ国)

ザルツブルク音楽祭(ザルツブルク/オーストリア)

2010-09-04 | 音楽&MOVIE

今年の夏、ザルツブルク音楽祭に行ってきました。

演奏はウィーンフィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)、指揮はオランダ出身の巨匠ベルナルト・ハイティンク、演目はブルックナーの交響曲第5番。


世界最高レベルのオーケストラだけあって、チケットも2F席で軽く100ユーロを超えましたが、自宅からインターネットで予約できたので、電車に乗ってミュンヘン経由でいざザルツブルクへ。(片道約5時間)


で、その演奏はベルリンフィルと並び、まさに世界最高峰というのも納得できる素晴らしい音楽。


特筆すべきはf(フォルテ)の音質で、こんなに「美しいfとff」(フォルテとフォルテシモ)はこれまで聴いたことが無いんじゃないかと思える位、ストリングス(弦楽器)からブラス(管楽器)まで全てが「美の音楽」を感じさせてくれる響きで、チケット代の100~200ユーロがはした金に思えるほど。(笑)


正直ブルックナーは専門外なのですが、ブルックナーもいいね~と思ってしまいました。


聴いていたのは2F席だったのですが、名ホールの1つとして有名なザルツブルク音楽際の大ホールだけあって、2F席でもここがポジションがベストなんじゃないかと思える程で、よくあるような、2Fにあがるといわゆる「音が舞ってしまう」ような現象もなく、美しい音楽を十分に堪能しました。




音楽理解の深さと職人肌で有名な指揮者の巨匠ベルナルト・ハイティンクですが、80歳を超えたと思えない程充実した仕事を見せてくれ、指揮者っていうのは年齢を重ねるごとによくなっていくのだなと、改めて感じました。
(ハイティンクは昔のCDでの演奏しか聴いたことがありませんが)

歌手も楽器奏者も、体を使って音を奏でる演奏家は、技術でいくらそれをカバーしても、どうしても体の衰えと向き合う年齢が必ずくるものですが、指揮者という仕事は、誰もが必ず訪れる「死」の瞬間まで、きっと成長し続けることができるすごい仕事なのだと感じさせられました。
(演奏家1人の人生の中での、「音楽との対話」も相当なものだと思いますが、特にオーケストラの音楽を作り上げることは、さらにより深く、人生を費やし探求し続けていくものなのかもしれません)



世界屈指の音楽祭と名高い、ザルツブルク音楽祭でのウィーンフィルの演奏は本当に素晴らしいものでしたが、今度ウィーンの楽友協会でその演奏を聴いてみようと思っています。





hr-Sinfonieorchesterのコンサートを聴きに行ってきました

2010-09-03 | 音楽&MOVIE


hr-Sinfonieorchester(フランクフルトに拠点を置くHR交響楽団。旧名フランクフルト放送交響楽団)の2010-11シーズンの初日演奏を聞きに、Alte Oper Frankfurtに行ってきました。


本日の演目は、ショパンのピアノ協奏曲第一番とショスタコーヴィチの交響曲第5番。
どちらも大好きな演目です。

この日客演で指揮したのがMr.Sことスタニスワフ・スクロヴァチェフスキ。

ポーランド出身の86歳の巨匠で、2007年から3年間、読売日本交響楽団の常任指揮者だったこともあり、日本でもお馴染みの指揮者です。



この日のピアニストは、同じくポーランド出身(現在はミュンヘン在住だとか)のエヴァ・クピーク。

ポーランドの英雄、ショパンの演奏で有名なピアニストで、Mr.Sとのコンビで世界各地のオケとショパンのピアノコンチェルトを競演しているだけあって、完全に2人の世界観が出来上がっている感じでした。

一方、目を閉じるとまるで東欧のオケを聞いているみたいな印象があり、生真面目なドイツのオケがその世界観についていくのが、ちょっと必死な感じでした。(笑)

でもショパンのコンチェルトなので、これでいいのかもと思ったりしもして。




エヴァ・クピークはかなりベテランのピアニストですが、結構イケイケの人みたいで、さああなた達、私についてきなさいよ~的な感じが、演奏だけでなく見た目でも客席からアリアリとわかる感じで(今回は中央近くの前から9列目で、表情が丸見えだったこともありますが)、そういった意味でもちょっとオケが「引き気味」だったのかもしれません。(笑)


個人的には強い女性より、カワイイ女性の方が好きですが、でもこと音楽に関して言えば、そういうスタンスは嫌いじゃなかったりします。<実は自分もオレサマ系なのか???(笑)



さて、ショパンのピアノ協奏曲第一番には、ショパンの故郷ワルシャワに対する告別の思いと、飛翔の意味が込められているといわれる曲ですが、演奏を聞いていると、東欧の情景がすーっと浮かんだ後、その故郷へ別れを告げるかのような、どことなく寂しげなメロディーが自分の中の望郷の思いとシンクロして、演奏を聴きながら、なんだか涙が出そうになりました。


エヴァ・クピークはちょっとステージ上では存在感ありすぎな感じでしたが(笑)、ショパン弾きのピアニストとして、本当に本当に素晴らしい演奏を聴かせてくれました。





ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、音大生だった大学時代まで自分が管楽器奏者だったこともあり、高校時代から非常に馴染みの深い曲で、本来第4楽章が好きなのですが、この日のhr演奏では2楽章が特に素晴らしかったです。

昨年の同オケを聞いた印象ではブラスがちょっと弱いかな?という印象だったものの、今日のショスタコーヴィチを聞いた印象では、格段に良くなっていて、今シーズンの開幕ということもあってか、オケも特に熱が入っていて、素晴らしい演奏をしていました。



昨シーズンから聴きはじめたばかりのhrですが、実は知り合いが在籍してることもあり、今ではすっかりオラが町のオーケストラという感じです。(笑)

今回は大好きな演目ということもあって、チケット代を払うからと手配をお願いしたのに、また今回もご招待戴いてしまって、本当に恐縮しているのですが、自分にとって今日の演奏はチケット代100EURでも全然OKと思える程、素晴らしい演奏で、何だか沢山元気をもらって帰ってきました。

自宅からすぐ近くで素晴らしい演奏が聴ける環境があるというのは、やっぱり欧州の素晴らしい点の1つだと思っています。

特にドイツでクラシックコンサートを聴かないのは、たぶん日本で日本食を食べないことや、イタリアのナポリでピッツァや、ボローニャでパスタ(タリアテッレ)を食べない位もったいないことだと思います。



また余談ですが、上質な音楽の生の演奏を聴くと、体の中の悪いものが抜けて、良いパワーが入ってくる感じがあります。

スピリチュアルなことはよくわからないのですが、ステージからエネルギーが伝わってくる感じがあるので、ある意味気孔に近いようなものかもしれません。

健康の為に?少なくとも月イチぐらいでコンサートに行かなくてはなんて思っていますが、本当は最低月イチで音楽家として演奏活動しなくてはいけないんじゃないか?と、自分にツッコミを入れてみたりして。。。(汗)

フランクフルトのインターネット事情

2010-09-01 | ドイツ生活情報


ここの所落ち着いていた我が家のインターネット回線(家庭用ADSL)ですが、最近また頻繁にダウンするようになって、もどかしい限りです。

フランクフルト市内でのエリア内利用者が増えたのか、もしくは回線増強でもしているのか、、、。


他の同エリアに住んでいる人達もよくある現象らしく、また近隣のイタリアやフランスでも同様の話を聞くので、これは欧州全体的にそうなんだろうと思っています。
(アジアのゲートウェイとなるトルコのイスタンブール辺りはもっと酷いみたいです)


ドイツにきて5年ですが、家賃の振込み(ネットバンキング)からテレビ、日本食材の注文まで全てインターネットを利用して行っており、スカイプ等まで考えると、実質的に電話よりずっと重要な生活インフラになっているなという実感があります。
(携帯電話もあるので、自宅に電話がなくてもあまり問題ないですが、インターネットなしは考えられません)


ちなみに我が家はZero Shopという日本食材屋を利用しており、40~50EUR以上買うと米等の重たいものも含め、フランクフルト市内及び近郊へ無料で配達してくれるので、すごく助かっています。

http://www.zero-trading.com/


旅1つとっても、10年前にギター1つ持って世界に出た時は、ホテルや航空券も、電話で問い合わせるか、現地へ直接いくかしか方法がなく、電話も今みたい日本の電話を海外でそのまま使えなかったので、現地へついたものの宿無しで野宿なんてこともありましたが、今はインターネットで簡単にホテルの事前予約をしたり、booking.com(http://www.booking.com/)等を使うと正規値段より安かったりするので、本当に便利です。


飛行機もインターネットの早期割引で買うと電車並みの料金だったり(電車も早期割引で最大7割引きぐらいですが)、ライアンエア(http://www.ryanair.com/en)等は飛行機チケットが手数料のみで実質タダ(手数料のみ数千円)なんてこともある程で、インターネットの普及により旅のスタイルも本当に変わったなという実感があります。


この10年強で海外生活も旅も大きく変えたインターネット。


後は我が家のインターネット回線が切れませんように。。。(涙)