ツグミは渡り鳥で、冬場を我が国で過ごすが、春先には中国等へ戻る。体長は24cmと鳩より小さいが、ヒヨドリぐらいである。多摩川にも飛来して結構長いが、食欲も旺盛で、昆虫類から木の実まで幅広い。真っ赤になったピラカンサの実を丸裸にしてしまう。群れでいることも多いが、1羽で行動する個体もいる。一応なわばりらしきものを持っているようで、ヒヨドリや同種のツグミが縄張り内に入ると追い出しにかかり、時には争いとなる。
地上を歩き回っては立ち止まり、胸を張る。どこか威厳に満ちているが、ツグミの種類は多く、よく知られているジョウビタキ、コマドリ、コルリ、ルリビタキ、ノビタキ、ヒヨドリ等がいて、ツグミと付く野鳥には、トラツグミ、クロツグミ、ウタツグミ、ノハラツグミ、ハチジョウツグミなどがいる。
今回撮影したツグミは、ハチジョウツグミのようで、そうでもない、しかしツグミよりは全体に黒みが少ない個体であった。カメラマン仲間では昨年も見かけていて、野鳥に詳しい方に聞いてみても、正確にはハチジョウツグミではないとのことで、よくわからないで過ぎている。昨年の個体とは同種ではないと思うが、昨年見つけた場所とほぼ近いので、同属と思われる。野鳥は成長するに従って羽色を変えるものが多いが、実際にはもうしばらく様子を見ることが賢明のようである。ハチジョウツグミは赤みが強く、煉瓦色である。
変異によっても種類が多いようで、亜種ハチジョウツグミもいるようなので、交雑種であれば様々な色に変化するのかもしれない。ツグミののど元は白色であるが、今回見かけたツグミは黄色い色をしていた。いずれにしても、野鳥には図鑑に載っていない種もあるので、観察を続けたい。
ツグミではないが、先頃、撮影したベニマシコの雌に標識用の足環がはめてあった。カメラマンによると、山科鳥類研究所が定期的に個体数を調査するため、足環をつけるようで、足環には番号が刻印されていて、撮影した場所や時間を報告すると調査に協力できるようである。どのような追跡調査をしているのかがわからなければ意味がないように思うが、カメラマンの中にもよく知らない方も多い。何らかの情報が入ればまたご披露したい。