kebaneco日記

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猫又坂から坂巡り〜

2020年07月07日 | お友達&近所&散歩

日曜日は「雨降りそうにないんじゃない?」と、2時ごろ散歩に出た。

 

今回は、単純に千石にある「猫又坂」まで行って帰ってこよう、という予定だった。不忍通りが氷川下交差点まで下っている、その長くて広い坂。昔その途中に千川という川があり、猫又橋という名前の橋がかかっていたため、ついた名前が猫又坂、ということのようだ。

 

坂の途中に親柱の袖石が残っている

 

元々の橋は木の根っこの股で橋をかけたので、「根子股橋」と呼ばれていたらしい。橋そのものは大正7年に立派な石を用いたコンクリート造りになったものの、千川がたびたび水害を起こしたので昭和9年に暗渠にされ道路の下を通るようになった。石造りの猫又橋は撤去されたものの、地元の改修工事相談役だった市川虎之助氏が、当時の東京市と交渉してこの親柱と袖石を自宅に移したので残された、ということらしい。

 

そう思ってみると川が流れていたっぽい

 

この先の大きな通りが猫又坂

 

帰りは袖石の記念碑の脇から千川跡を進んでみることにした

 

途中氷川神社が左手に現れたのでお参りして、さらにこの細長い道をしばらく歩いていくと緑に映える煉瓦色(煉瓦造りではない)の建物が見えた。あ、あれはひょっとして・・・、東京大学総合研究所博物館小石川分館建築ミュージアム(長っ)。

 

小石川植物園まで歩いちゃったね〜、とちょっと驚き

 

1876年に東大本郷キャンパス内の東京医学校本館として建てられ、1911年に赤門の脇に移され、と同時に奥行きが短くなり時計台も縮小され、車寄せに和風意匠が加わる。そして1960年代に今の小石川植物園内に移築され、2001年建築ミュージアムとして開館、という個性的な和洋折衷の木造建築。移築に移築を重ねた履歴が残る建物が、建築ミュージアムになるっていうのも面白い。行ってみたいと思っていたけど、東大がコロナ対策の一環として学内施設開設のために設定したレベルに従うと、ミュージアムも植物園もまだ開館できない状態、とのこと。

 

諦め悪く、小石川植物園の脇の塀伝いに歩いて正門に回ってみると

 

門は硬く閉じられていた、残念

 

ここから播磨坂の桜並木を通って春日通に出て、茗荷谷駅まで歩く。そのまま順当に春日通を歩いてお茶の水大学脇の坂を下って帰るのもいいけど、「もうちょっと路地を歩かない?」と主人が提案。「いいよぉ〜」ってことで再び裏道に迷い込んだ。主人は職場がお茶の水にあるので、茗荷谷駅から歩いて帰ってきたりすることがある。拓殖大学に向かって茗荷坂を下っていると、左手にお寺があることに気づいた。そばに立っていた茗荷谷町会案内図によると、滝沢馬琴の墓があると書いてある。「気づかなかったなぁ〜」と言う主人と坂を登ってお参り。

 

ちなみに、少し手前に曹洞宗林泉寺の石段を見落としてしまっていたことに後で気づく。曹洞宗一族としては面目ない。そこには「しばられ地蔵」が祀られているとあった。願いをかける時にお地蔵様を縄で縛り、叶うと解いたという伝習によるもので、この小日向林泉寺の縛り地蔵は大変有名であると「江戸砂子」に記されていたらしい。

 

南総里見八犬伝の滝沢馬琴(1767-1848)の墓

 

浄土宗の深光寺(じんこうじ)というところにある。墓碑に馬琴の法名(著作堂隠誉蓑笠居士)と妻の法名が、土台に家紋型の模様(馬琴の蔵書印と言われる)が刻まれているので、江戸時代後期の著名な戯作者の墓として歴史的価値が高いと説明文があった。ここの鐘楼の鐘は「還ってきた鐘」というらしいけど、馬琴のことに気を取られていて「ここは鐘があるんだね〜」で素通りしてしまった(苦笑)。後で分かったけどキリシタン灯篭なるものもあるらしい。また、小石川七福神(平成7年開創)の恵比寿様が安置されているようだ。東京都には「七福神」って結構たくさんある。近所だとこの小石川七福神や雑司ヶ谷七福神、ちょっと足を伸ばして谷中にも。なるほど。。。

 

左が拓殖大学右が深光寺、茗荷坂の起点

 

坂の名前は茗荷の栽培が盛んな土地柄だったから、ということのようだ。これって茗荷の葉っぱだよね〜?といいながら写真だけ撮っておいた。町会案内図には蛙坂とか切支丹坂など興味をそそる名前の坂があった。それはまた次回しばられ地蔵を拝みにいく時のお楽しみに、と帰り道を急いだ。ブランチだけで夕方まで散歩したので、そろそろ2人ともお腹が空いてきた。

 

おなじみの鼠坂を下る

 

バンクシー風ネズミの落書きも健在(笑)

 

これを最後に登るのだったら心が折れそうだけど、おりるだけだからどうにか大丈夫というくらいお腹が空いちゃった。この日の散歩は9,830歩。降りそうで降らない梅雨空で蒸し蒸しする空気の中の散歩で、最近ずっと自宅にいることの多いあたしは主人に比べて暑熱順応ができてないことを露呈してしまったのでござった。


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