今日のうた

思いつくままに書いています

水の花 (1)

2016-08-22 10:09:07 | ③好きな歌と句と詩とことばと
雨宮雅子さんの最後の歌集『水の花』を、国会図書館から借りました。
お借りする時に、市立図書館の方に次のように言われました。
「これはとても貴重な本なので、返すときは汚れがないか、一緒に点検します」、と。
家に持ち帰ることができないので、半分をコピーして頂き、
あとの半分を図書館で書き写しました。特に心に残る歌を引用させて頂きます。
(もし間違いがありましたら、お許しください)

うすべにの香り放ちてゐし百合がひらききりしとき猛きかたちす  

夜(よ)の更けの氷庫ひらけば斎場のやうなる霊気流れ出でたり  

歳月の流れのまにま不穏なる蕊のごときか離教者われは  

午後の陽は卓の向かうに移りきて人の不在をかがやかせたり  

曲るホームに沿ひて列車の止まれるは体感のやうにさびしかる景  

春の雲はや現はれぬ自由とは自然(じねん)にこの身委ねゆくこと  

月光はしづかに冒(をか)す 繊(ほそ)き金のくさり垂らしてゐるわが胸を    

パイの皮の畳める層に刃を入れつ ありありとさびし冬の快晴  

靴音とひび交ふ鍵の鈴鳴らしまた一人なる夜へと近づく  

シリウスは冬天にありわが額(ぬか)にカインのしるし息づけるまで  

うつろへる「時」の波動はこでまりの花揺らしをり 小止みなし「時」  

弧を守りうた書きてきし年月をなごませて嫩葉青葉めぐり来(く)  

漏告のやうな月光 還るべきさがみの沖に立つ月ならむ  

六月のそこが磁場でもあるやうに水の溜りに雨は輪を描(か)く  

雨のなか小走りにきて動悸してふとしもかなし煌(きら)めくこころ

鍵盤の白きは窓の緑(りょく)映し避暑地の夏が過ぎし日を呼ぶ  

曼珠沙華赫き傾(なだ)りに晩節の情念のごと雨ふりそそぐ  

自傷とも見ゆる手首の火傷あとふと恥づかしみ釣銭を受く  

曇天に木々の緑葉なまぐさしあらあらと風ひきよせながら  

黄昏(たそがれ)は人に呼ばれてゐるやうでその先の闇へまたも近づく

熱(ほめ)きたつ炎天下来て骨拾ふならず日傘の骨畳みをり  

海はいま荒れゐるならむ硝子戸に胡粉(ごふん)のいろの蛾の死を貼りて

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水の花 (2)

2016-08-22 10:08:33 | ③好きな歌と句と詩とことばと
酢の匂ひ賑はしくたつ厨房の真夏は若き妻の日のごと  

命かけてと思ひつめたる若き日の跡形もなき一軀湯浴みす  

かたはらに人ゐるやうに林檎置く睦月ついたちしづけき真昼  

わが夫を「をぢさん」と睦みし息子にて散骨の日の海のいろ言ふ  

おつとりと歳を重ねてゆくために忘れてゆかう一つ一つを  

ベランダに干し忘れたるブラウスの霊のごときが夜目になまめく  

腕(かひな)とは腕もて人を抱くもの甲斐なきかひな静かに洗ふ  

無花果のむらさき実る 神々の失せて久しき地上の秋に  

紅葉と黄葉まじりきらきらと降(ふ)る坂道の祝祭に遭(あ)ふ  

ポインセチアひとひら散りて硝子戸の内しづかなり 誰か危ふし

なすすべもなく両の手を垂れてゐる者のやうなり曇る日暮れは
                      《 祷 三・一一 東日本大震災 》  

原発の汚水を海に放出す夜にまぎれて波にまぎれて  

日常を根こそぎ奪はれたる人ら吹かれ吹かるるにつぽんの春  
         《 さくら 三・一一 東日本大震災(希望のあかりとして) 》

弓なりに日本列島苦しめり美(は)しき倭(やまと)をよみがへらせむ  
                      《 受苦 三・一一東日本大震災 》  

黙示録のごとき世界に首垂れてゐるほかはなし考ふるため  

避難区域の瓦礫に雨は降りそそぐあまたの贄(にへ)を奪ひしところ  

かなしみにまなこ曇れば尊びし「受苦」といへるもうべなひがたし  

神が手を伸べざりし世にすみれ咲く小宇宙あり 天国ならむ  

春の雨一日降れり日常をたふとぶ心に沁み入るやうに 《存在》  

扇風機ゆるく回せば少しづつからめとらるる「時」が見えくる  

ある日海に漕ぎ出すやうに存在を消しうるならばさきはひならむ  

少しづつ瞑想の気をまとひつつ欅並木は立冬に入る
                     ※東日本大震災以降の歌には章を入れました。

雨宮さんが東日本大震災をお詠みになっているのが、意外でした。  
歌人の中には、時事を全く詠まないという方もいらっしゃいますが、  
人は社会と無関係には生きられないので、雨宮さんがお詠みになって  
いらっしゃることを知り、とても嬉しかったです。

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今だからこそ 声を上げよう! (5)

2016-08-22 10:07:41 | ②一市民運動
(27)「脱原発テント、未明の撤去 経産省の敷地内に5年 8月22日 東京新聞」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082202000114.html

(28)「予備自衛官確保へ 税制上の優遇措置制度新設へ 8月21日 
      NHK NEWS WEB(動画あり)」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160821/k10010644541000.html

防衛省は、大規模災害などの際に……
 将来、この「 など 」が威力を発揮するのでは……と危惧します。

(29)「101歳、反骨のジャーナリスト むのたけじさん死去 8月22日 東京新聞」

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016082290070013.html

※反戦、反骨を貫いた方々が、次々とお亡くなりになります。
 日本は大丈夫でしょうか。 とても心配です。

(30)「社説[取材妨害・住民排除]工事止め協議の場作れ 8月22日 
     沖縄タイムス+プラス」

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/58547

(31)「<社説>高江で記者排除 報道の自由侵害を許さない 8月22日 琉球新報」

http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-341336.html

●マリオでふざけている場合か!

(32)「五輪メリットは「国威発揚」 NHKが憲章と真逆の仰天解説 8月22日 
     日刊ゲンダイ DIGITAL」

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188253/1

●「 国威発揚 」この国はどうなっているんだ!
 そういえば、以前、「八紘一宇」を使った国会議員がいたが、
 彼女が参院選で一位当選するとは!
 オリンピックに浮かれていると、とんでもないことになりそうだ!

 「チャイナ・シンドローム」という映画が、1979年にアメリカで製作された。
 「もしアメリカの原子力発電所がメルトダウンを起こしたとしたら、
 地球を突き抜けて中国まで溶けていってしまうのではないか」という
 映画の中のジョークに由来する。(ウィキペディアより)

 オリンピック閉会式を観ながら、この言葉を思い出していた。
 そして、地球の裏側にあたるリオの土管から、マリオではなく、
 福島第一原発の汚染水が出てくることだってあり得ると思った。
 あの原発事故では、放出された放射能の8割~9割が、太平洋側に流れていったのだから。
 汚染がどこまで拡がっていったか、その後、報道はない。

(33)「お薦め映画 FAVORITE MOVIES(1)より『チャイナ・シンドローム』を
     リンクさせて頂きます」 ※70年代に作られたとは思えない、
     素晴らしい映画です。
     
http://www.geocities.jp/ookaminami/china.html   (終了しました)
 







(画像はお借りしました)




(34)「『駆け付け警護』付与へ訓練=集団自衛権想定し日米共同も 8月24日 JIJI.COM」

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016082400233&g=pol

あっという間に日本が変えられてしまう!

(35)「安保法 本格運用へ 海外で武力行使の訓練解禁 8月25日 東京新聞」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201608/CK2016082502000128.html

(36)「NHK会長再任してはならない 27団体申入れ 8月22日 
     エコノミックニュース」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160822-00000031-economic-bus_all

動きがもっと拡がらないと!


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