日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。
野のアザミ
「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」国立国際美術館
大阪中之島にある国立国際美術館に出かけた。開館40周年記念展 「トラベラー まだ見ぬ地を踏むために」を観るためだ。 最終日、それも午後。案内には次のようにあった。
1977年に開館した国立国際美術館は40周年を迎えますが、これを記念する特別展を開催します。40組以上の国内外のアーティストにより、時間、歴史、記憶の中に集積されてきたものを多角的に切り取ることで私たちの社会の姿を浮かび上がらせるとともに、今後の美術館の可能性を探ります。
展示作品は本当に多彩だった。映像作品からパフォーマンスの記録写真や所蔵作家それぞれの音声を聞かせる作品まで。現代アートの流れは絵画や彫刻などの枠を取り払って進んでいるが、今回の展示会を観ても全くその通り。残念ながらパフォーマンスや映像作品は時間の関係でじっくり鑑賞できなかった。
私のお目当ては、ロバート・ラウシェンバーグの作品。1968年ドイツの国際芸術祭に出展されたという「至点」。シルクスクリーンが刷り込まれた透明の自動ドアが5層あり、そのドアを通り1層ずつ歩み進む事ができる作品だが、そのためには整理券が必要だった。整理券が手に入らなかったため、周囲から観るだけの鑑賞となったが、救いは写真撮影がOKだったこと。もうひとつのお目当ては、高松二郎氏の「影」。こちらはロビーにあった。最初は作品に気付かずに、係員に尋ねてやっと認識。売店横の大きな円筒の壁におどる映像の背景に、確かに「影」があった。個人的には映像はない方が良く、一番隅っこの壁に手をかけてたたずむ女性の影が一番想像をかき立てた。その他にも、過去のパフォーマンスの記録や白髪一雄氏の作品もあった。しかし、それらが少し色あせて見えたのは他の作品の発する「熱」のせいだったのかもしれない。印象的だったのは、壁に向う女性の歌声。時折聞こえる歌声は実に清く館内に響きわたっていた。。
多彩な表現は、なじみ難いものもあったが、それは私が固定概念に縛られているからかもしれない。地方ではなかなか接することの出来ない作品に、多数接する事ができたことに感謝したい。
ロバート・ラウシェンバーグ「至点」
高松二郎「影」
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