野のアザミ

日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。

幸子と千盡展

2018-12-21 | ギャラリー
佐藤幸子「野の花のために」


宮崎神宮に至る県道に一の鳥居がある。銅板葺きの大きな鳥居だ。そのすぐ近くに小さなギャラリーがあり、何度か足を運んだことがある。今はもうないが、名前はギャラリーバード。そこを主宰されていた幸子さんと千盡さんの二人展を、わがギャラリーでやることになった。二人は、かつてジャズハウスも経営されていた。宮崎市周辺の方なら、その名前に聞き覚えがあるかもしれない。ジャズハウスアミーゴだ。結構広いジャズハウスで、バンバン音がなっていたように思う。しかし、私の記憶に焼き付いているのは、その音より床にごろんところがっていた木彫の方だ。どこか波長が合うところがあったのかもしれない。


佐藤千盡「老人と海と空」


それから数十年・・・。幸子さんは喜寿、千盡さんは傘寿という歳になっていた。その二人が日頃積み重ねられてきた作品を観る機会があった。どこだったか定かでないが、幸子さんの陶器に接したのが最初だったように思う。「力」を感じた。はち切れんばかりの命のパワーだ。それは、油彩画を観た時にも感じた。花なら花の命を爆発させていた。
そのパワーに対して、千盡さん木彫は、静かに緊張感を持ってそこにあり、何かを語っていた。油彩画も然りだ。淡々と静かなリズムを奏でていた。ひとつの別世界がそこにあるようだった。

この二人の作品、やはりみる人は視ていた。池田満寿夫氏。画家であり版画家であり彫刻家であり・・・・。様々な分野で活躍した人だ。その池田満寿夫氏が幸子さんの陶器や油彩画を認めていた。そして宇佐美圭司氏。人型を組み合わせた作品や最初にレーザー光線を用いた作品などで知られる現代美術作家だ。その宇佐美圭司氏が千盡さんの油彩画を評価していた。そのようなことも思いおこしながら、年明けからの「幸子と千盡展」を楽しみに待ちたい。

◎新春「幸子と千盡展」
・2019年1月6日(日)〜14日(月)
ギャラリー野の苑(宮崎市佐土原町)