日頃感じたこと、思ったこと事などを書きとめておきます。
野のアザミ
ゴッホの「星月夜」と重なる瑛九の「田園 B」
美術館、もしくは展覧会にはカメラを持っていきたい。たまに撮影OKの作品があるからだ。これも撮影OKだった。「田園 B」/pastoral Bと題したこの絵は、宮崎が生んだ前衛画家・瑛九の代表作のひとつだ。宮崎県立美術館蔵だからコレクション展で度々目にしてきた。この作品は、亡くなる前年の作品だ。60歳ぐらいで亡くなったと思っていたが、亡くなったのは48歳と若い。絶筆は、大作「つばさ」だ。
瑛九の作品を初めて知ったのはいつだったか・・・。私と同じ姓を持つ画廊の主からだったように思う。もう、ずっと前のことだ。画廊ではフォトデッサンを集めていた。それらを目にした時、カメラを使わずともこんな作品ができるのかと、すぐに引き込まれた。その後、シュール的な版画など記憶に焼き付けたきた。だが、点描で描かれた晩年の作品は、今まで自分の内に入ってくることはなかった。だが、今回カメラに納めた「田園 B」を眺めていて初めて、それに引き込まれている自分に気づいた。ひとつひとつの点は、輝く星々のようでもあり、生命がほとばしる宇宙のようでもあった。
「田園 B」は、月、星、太陽が、ふるさと宮崎の田園に映じて輝いている心象風景を描き出したものと言われる。だすれば、ひとつひとつの点は、生命ひとつひとつ、あるいはそれを構成している原子そのものかもしれない。ずっと見ているうちに、ゴッホの「星月夜(糸杉と村)」と重なってきた。ただ、田園・pastoralという言葉からは、田んぼの風景とは違う牧場的な風景を感じる。それが、田んぼに育った私の中に、今まで入ってこなかった理由かもしれない。
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