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令和3年(2021年)一級建築士試験問題解説 ①

2021-12-03 10:25:09 | ビジネス・教育学習
◇しばらくブログをお休みさせていただいていましたが、令和3年度(2021年)一級建築士試験問題の解説を始めさせていただきます。
◇二級建築士試験については、来年度の対面講座の基礎資料作成を兼ねて、年明けに整理します。
◇なお今まで通り、問題文を参照しながら見てゆくと分かり易いと思いますので、問題文、正答表共に、「公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.」をご参照ください。
◇下記URLにアクセスし、ご参照ください。(「Ctrlキー」を押しながらクリックすると表示できます。)
  問題文(学科Ⅲ・法規)
  1k-2021-1st-gakka3.pdf (jaeic.or.jp)
  正答表(学科5科目):
  1k-2021-1st-gokakukijun.pdf (jaeic.or.jp)
◇できない場合は、グーグル等の検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
  ⇒「新着情報」のメニューの中に「試験・審査」というのがあり、「令和3年度一級建築士試験「学科の試験」の試験問題等の掲載について」という欄があります。

〔No. 1 〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 4
1.正しい。法2条一号:土地に定着する工作物に付属する、門、塀、観覧のための工作物については、屋根を有するものに限定していないので、屋根、柱、壁の有無にかかわら 
  ず、建築物として定義されている。
2.正しい。法2条二号、令115条の3第一号かっこ書き、別表第1(2)項:幼保連携型認定こども園は、別表第1(2)項に該当する特殊建築物である。
3.正しい。法7条の3第1項一号、令11条:条文参照。
4.誤り。法2条九号の二ロ、令112条19項一号ニ、法2条三号:建築設備の規定(法2条三号)に「防火」は含まれておらず、設問の記述は、防火区画に用いる「防火設備(法2条九
  号の二ロ)」の技術基準として、「令112条19項一号ニ」に規定されている防火設備であり建築設備ではない。

〔No. 2 〕 面積、高さ又は階数に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 4
1.正しい。令2条1項二号ただし書き:条文後段のただし書きに、問題文と同等の記述がある。
2.正しい。令2条1項四号ヘ、同3項六号:原則、容積率算定の基礎となる面積から除外できる部分の一つである(条文参照)。
3.正しい。令2条1項八号、法2条四号:建築面積の1/8以下の塔屋は、原則、階数に算入されないが、その一部に休憩室(法2条四号に規定する居室である)を設けたものは、階数
  に算入する必要がある(条文参照)。
4.誤り。法33条、令2条1項六号ロ:当該建築物の建築面積の1/8以内の場合における高さの算定の緩和については、法33条において「避雷設備を設置する建築物を算定する場
  合を除く」と規定しており、12m以内であっても、高さに算入する必要がある。

〔No. 3 〕 準防火地域内における次の行為のうち、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要がないものはどれか。ただし、建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区域の指定はないものとする。
正答 3
1.確認申請が必要。法6条2項、法6条1項四号、法2条十三号:「増築」は「建築と定義」されており、準防火地域は都市計画区域内に指定されるもの(都計法1項八号)なので、
  本問の建築物は、法6条1項四号に該当し、確認申請が必要。また、10㎡以内の増築で、防火地域、準防火地域外の場合、法6条2項において緩和規定があるが、本問は、準防 
  火地域内なので、この緩和条項の適用はない。
2.確認申請が必要。法6条1項一号、法2条二号、令115条の3第三号、別表第1(4)項:飲食店は、令115条の3第三号に基づき、別表第1(4)項に該当する法2条二号に規定する特殊
  建築物であり、床面積の合計が300㎡(200㎡超)なので、法6条1項の一号建築物に該当し、大規模の模様替は確認申請が必要である。
3.確認申請を必要としない。法87条、令137条の18第七号(ただし書き含む)、法6条1項一号:水泳場と体育館は、令137条の18に規定する類似用途に該当するので、法6条1項一
  号に規定する用途変更の確認申請を必要とする特殊建築物には該当しない。なお、ただし書きにおいて、七号に該当する建築物は、第一種中高層住居専用地域、第二種中高
  層住居専用地域、工業専用地域内にある場合は、類似用途としての適用を除外する規定になっているが、本問は第一種住居地域内なので、該当しない(類似用途の扱いであ
  る)。
4.確認申請が必要。法88条、令138条2項一号:法6条1項一号から三号に該当する建築物へのエレベーターの設置は、法88条の規定により、法6条1項の規定が準用されるので、
  設問の構造・規模の建築物(三号建築物)へのエレベーターの設置には、工作物への準用規定に基づく確認申請が必要である(四号建築物の場合は必要としない)。

〔No. 4 〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 2
1.正しい。法6条1項、規則3条の2第1項二号:設問のものは、施行規則3条の2第1項二号に規定する、法6条1項かっこ書きの省令(施行規則)に定める軽微な変更に該当し、確認
  は不要。
2.誤り。法90条の3、令147条の2第二号:別表第1(い)欄(2)項に該当する病院の避難施設等に関する工事の施工中において、法7条の2に基づく仮使用承認と共に、安全上の措置
  等に関する計画の届け出を原則として必要とするが、その届け出の対象となるのは、令147条の2第二号により、5階以上の階におけるその用途に供する床面積の合計が1,500
  ㎡を超えるものとしているので、設問の規模の場合、特定行政庁への届け出の必要はない。
3.正しい。法7条の6:検査済証交付前の使用制限の規定は、法6条1項一号から三号までの建築物が対象で、一号建築物は、200㎡を超える特殊建築物、三号建築物の鉄骨造の
  場合、2階建て以上、若しくは200㎡を超えるものが規制対象であり、設問の建築物は、そのいずれにも該当せず、検査済証交付前に使用できる。
4.正しい。法87条、法7条1項:用途変更においては、建築主事の完了検査に替えて建築主事のへの届け出をしなければならないと規定しており、検査ではなく届け出となる。
  なお、確認検査機関は、法7条の2第1項において、完了検査を引き受けた場合に、法7条1項の規定の適用をしないとしており、法87条において、検査ではなく届出としてい
  るので、確認検査機関の役割は、制度上、そもそも存在しない。

2021年12月3日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
コメント
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