暮らす、生きる、繋がる、持続可能な未来

人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

令和3年(2021年)一級建築士試験問題解説 ③

2021-12-05 09:03:23 | ビジネス・教育学習
◇令和3年度(2021年)一級建築士試験問題の解説を続けます。
◇問題文を参照しながら見てゆくと分かり易いと思いますので、問題文、正答表共に、
 「公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.」をご参照ください。
◇下記URLにアクセスし、「Ctrlキー」を押しながらクリックすると表示できます。
 問題文(学科Ⅲ・法規)
 1k-2021-1st-gakka3.pdf (jaeic.or.jp)
 正答表(学科5科目):
 1k-2021-1st-gokakukijun.pdf (jaeic.or.jp)
◇できない場合は、グーグル等の検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
 ⇒「新着情報」のメニューの中に「試験・審査」というのがあり、
 「令和3年度一級建築士試験「学科の試験」の試験問題等の掲載について」という欄があります。

〔No.10〕 建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 4
1.正しい。法34条、令129条の9第二号の表:定格速度が毎分60mを超え150m以下の場合、垂直距離は2.2m以上とするとしている。
2.正しい。法28条の2第三号、令20条の8第1項一号イ(1):条文参照(計算式を含む)。
3.正しい。法35条、令116条の2第1項二号、令126条の2第1項ただし書き一号:排煙無窓居室(令116条の2第1項二号)に該当しても、床面積100㎡以内に防火区画すれば、令126  
 条の2第1項ただし書き一号に該当し、排煙設備を設けなくてもよい。
4.誤り。令129条の4第2項二号の表:計算式は、「昇降する部分以外の部分の固定荷重(G1)+生ずる加速度(α1)×[昇降する部分の固定荷重(G2)+かごの積載荷重(P)]と規定さ
 れており、昇降時に生ずる加速度を加味して計算する必要がある。

〔No.11〕 保有水平耐力計算によって安全性が確かめられた建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 3
1.正しい。令68条2項:条文参照。
2.正しい。令79条1項:条文参照。
3.誤り。令36条2項一号、令73条2項:令36条2項一号において、保有水平耐力計算によって安全性が確かめられた建築物については、適用が除かれる仕様規定が記述されてお
 り、鉄筋コンクリート造の建築物の継手(令73条)の規定は、適用除外対象なので、主筋の径の25倍以上としなくてもよい。
 ちなみに、その他の肢問(1,2,4)の規定に関しては、令36条2項一号に規定している除外項目に該当していない。
4.正しい。令79条の4、令77条一号:条文参照。
[参考情報]
 保有水平耐力計算のときに守らなくていい規定(令36条2項一号かっこ書き)5節(鉄骨造)
 ・令67条1項(鋼材の接合)一号~四号の処置に関する部分は適合されなければならない。
 ・令68条4項(ボルト孔の径)6節(鉄筋コンクリート)
 ・令73条(鉄筋の継手及び定着)
 ・令77条二号(柱の構造のうち、主筋は帯筋と連結すること)
 ・令77条三号(柱の構造のうち、帯筋の径と間隔)
 ・令77条四号(柱の構造のうち、帯筋比)
 ・令77条五号(柱の構造のうち、柱の小径)
 ・令77条六号(柱の構造のうち、主筋の断面積の和)
 ・令77条の2第2項(床版の構造のうち、プレキャスト版)
 ・令78条(はりの構造)
 ・令78条の2第1項三号(耐力壁の構造のうち、壁筋の配置)7節の2(その他)
 ・令80条の2(構造方法に関する補足)大臣が定めた技術基準のうち、指定する部分に限る。

〔No.12〕 図のような木造、地上2階建ての住宅(屋根を金属板で葺いたもの)の1階部分について、桁行方向に設けなければならない構造耐力上必要な軸組の最小限の長さとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。
正答 2
 地震力による算定:令46条4項かっこ書き、同項の表2、令88条2項、法43条1項の表(2)項
 ・表2における階数が2階建の1階の床面の乗ずる数値:29㎝/㎡
 ・地震力による構造耐力上必要な軸組の最小限の長さ:29㎝/㎡×60㎡(床面積)=1,740㎝
 風圧力による算定:令46条4項、同項の表3
 ・見付面積に乗ずる数値(令46条4項の表3)=50cm/㎡
 ・風圧力の見付面積は、床面から1.35m部分を減じた面積(令46条4項)。
 ・算定用見付面積:45㎡-6×(0.45+1.35)=34.2㎡
 ・風圧力による構造耐力上必要な軸組の最小限の長さ:50cm/㎡×34.2㎡=1,710㎝
 ∴1階部分桁行方向の構造耐力上必要な軸組の最小限の長さ(地震力)=1,740㎝

〔No.13〕 構造強度に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 2
1.正しい。令61条一号、同三号:条文参照。
2.誤り。令85条2項ただし書き、同1項の表(5)項(ろ)欄:支える床の数に応じて積載荷重を減らす規定(令85条2項)において、ただし書きで、令85条1項の表の(5)項に掲げる室に  
 ついては、この限りではないとしているので、荷重を減らすことはできない。従って、表(5)項(ろ)欄に基づき、2,600N/㎡で算出する必要があり、支える床の数「6」より、
 2,600×0.75=1,950N/㎡とすることはできない。
3.正しい。令82条の2、令82条の6第二号イ:条文参照。
4.正しい。令82条の5第四号:条文参照。

〔No.14〕 事務所の5階にある居室の設計に際して、以下の条件に該当する開口部を設置することとした場合、窓その他の開口部を有しない居室の規定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 2
1.正しい。法35条の3、令111条1項一号:採光有効面積が床面積の1/20未満の場合には、令111条1項一号に定義する無窓居室となるので、法35条の3に基づき、設問通りの主要 
 楮部の区画が必要。
2.誤り。法28条2項:換気設備を必要とする換気無窓居室は、床面積の1/20未満(50×1/20=2.5㎡未満)の場合であり、設問の場合3.0㎡あるので、換気設備の設置を必要としな
 い。
3.正しい。令120条1項の表(1)、令116条の2第1項一号:採光無窓に該当し、令120条1項の表(1)に基づき、歩行距離は30m以下が適用され、通路部分が準不燃材料ではないの
 で、それによる緩和の適用もない。
4.正しい。令126条の2第1項ただし書き五号:条文参照。

2021年12月5日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする