◇来年度の二級建築士試験対策として、本年度(R5年)の問題の要点を整理していきます。
◇R5年試験問題と正答表については「公益財団法人建築技術教育普及センター」H.P.をご確認ください。
◇本ブログでの解説内容は、R5年(2023年)の試験問題の要点整理を図ります。
◇上記財団のホームページで、R5年の試験問題を一読してから、本解説をご覧いただければと思います。
◇「防火区画等」の規定のR5年出題傾向
・一番興味深かったのは、「強化天井」の定義問題の出題です。
・R4年では、正答での出題で、今年(R5年)の一級建築士試験でも、正答での出題です。
・一級建築士試験では、「特定天井」の定義の記述を「強化天井」と称しての誤った記述の問題です。
・これって、来年(R6年)の二級でも、要注意なのではと推察しています。
・正答は、防火区画のただし書き規定からですので、問題としては、見慣れた部分からの出題でしたね!
・令114条の「防火間仕切・界壁」との混合問題は、今後も主流と推察しています。
・簡単な問題なのですが、「防火区画の貫通部分の措置(令112条20項)規定の出題が良く出ますね!
◇「避難施設」の規定の過去問出題傾向から押さえておく必須事項(重点課題事項)は3つ
・歩行距離(令120条の表)と、2方向雛(令121条)と、非常用照明(令126条の4)です。
・特に、令121条第1項六号の、一般な建築物への2方向避難の規定には注意です。
・H29年に非常用進入口の規定(令126条の6)の正答出題がありますが、レアケースなのでは???
◇「内装制限」規定の過去の出題傾向も特徴があります。
・規制がかかる特殊建築物の範囲(令128条の4第1項)の表と、二号、三号の条文。
・その仕上げ方法の規定(令128条の5第1項)
・調理室の内装制限の規定も気になりますが、特殊建築物への規制事項への注意が最重点課題です。
◇R5年の問題(No.9)の要点整理
1.正しい。令112条4項一号:条文参照(条文通り)。
2.正しい。令112条11項ただし書き二号:メゾネット形式の住戸内における、階数3以下で200㎡以内の場合の内部階段についても、竪穴区画(防火区画)の規制対象か
ら除外されている。
3.誤り。令112条11項後段のカッコ書き:規制対象とする竪穴部分について、かっこ書きで、「直接外気に開放されている廊下」を除くと規定しているので、防火設
備で区画する必要はない。
4.正しい。令114条4項:条文参照(条文通り)。
5.正しい。令112条20項:条文参照(条文通り)。
◇R5年の問題(No.10)の要点整理
1.誤り。令125条1項:避難階における歩行距離は、令120条に規定する数値以下とすると規定しており、寄宿舎は、令120条1項表の(2)において、法別表第1(い)欄(2)
項に掲げる用途の供する建築物として規制しているので、階段から屋外への出口の一に至る歩行距離の制限を受ける。
2.誤り。令119条表:小学校の児童用の廊下で、両側に居室があるものは、表より、2.3m以上でよい。
3.誤り。令126条の2ただし書き二号:排煙設備を設けなくてもよい建築物として、ただし書き二号で「学校等」が対象となっているので、排煙設備を設けなくてもよ
い。
4.正しい。令126条の4ただし書き一号:非常用の照明装置を設けなくてもよい建築物として、ただし書き一号で、「共同住宅の住戸」は対象となっている。
5.誤り。令121条1項六号:2以上の直通階段の設置義務を課している令120条の規定で、一号から五号は、特殊建築物に対して規制しているが、六号では、用途に関
係なく、建築物の規模による規制をかけている。
◇R5年の問題(No.11)の要点整理
1.誤り。令128条の5:内装制限の規定は、居室の壁、及び床の仕上げを規制しており、床は対象としていない。
2.正しい。令128条の5かっこ書き、令128条の5第2項:床面から1.2m以下の部分を規制から除外しているのは、令128条の4第1項一号の特殊建築物と第4項に規定す
る調理室等であり、令128条の4第1項二号に規定する「自動車車庫」については、かっこ書きの除外対象に含まれていないので、令128条の5第2項の規定に基づき、
準不燃材料以上の仕上げ材料を使用しなければならない(難燃材料とすることはできない。)。
3.正しい。令128条の5第1項かっこ書き:窓台は規制対象から除外されている(条文参照)。
4.正しい。令128条の5かっこ書き:天井がない場合は、天井が規制対象となる。
5.正しい。令128条の4第三号:条文参照。
2023年9月29日 by shrs(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士