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令和2年(2020年)一級建築士試験問題解説 ④

2020-10-11 10:02:04 | ビジネス・教育学習
◇令和2年(2020年)一級建築士試験問題解説、今日は、防火避難施設のNo.8~No.10を記述します。
◇問題文を参照しながら見てゆくと、分かり易いと思います。
◇問題文、正答表共に、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.にて参照できます。
◇下記URLにアクセスしてください。(Ctrlキーを押しながらクリックすると表示できます。)
問題文(法規)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gakka3.pdf
正答表(学科5科目):
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gokakukijun.pdf
⇒できない場合は、検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
 ホームページ内に、試験問題「過去問」にアクセスする「窓(メニュー)」があります。
 (1-6)過去の試験問題等というメニューがあります。

〔No. 8 〕 防火・避難に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
正答 1
1.誤り。令123条3項七号、令129条の2第1項:特別避難階段の階段室には、「その付室に面する部分以外に屋内に面して開口部を設けないこと」と、令123条3項七号に規定し
 ており、令129条の2第1項の全館避難安全検証法により確かめられた場合の適用しない規定の中に、令123条3項七号は、含まれていないので、令123条3項七号の規定は適用さ
 れ、特別避難階段の階段室には、その付室に面する部分以外に屋内に面して開口部を設けてはならない。
2.正しい。令123条3項一号、令129条1項:特別避難階段は、屋内と階段室とを、バルコニー又は付室を通じて連絡することと、令123条3項一号に規定されているが、令129条
 1項の階避難安全検証法により確かめられた場合に適用しない規定の中に、令123条3項一号が含まれている。
3.正しい。令126条の2、令129条1項:令129条1項の階避難安全検証法により確かめられた場合に適用しない規定の中に、排煙設備の設置規定である、令126条の2が含まれて
 いる。
4.正しい。令124条1項一号、令121条1項二号:床面積の合計が、600×4=2,400㎡なので、令121条1項二号に規定する物品販売業を営む店舗として、令124条1項一号の避難階
 段の幅の規定は適用になり、最大の階の床面積600㎡において、100㎡つき60㎝なので、600÷100×60=360㎝以上であればよい。

〔No. 9 〕 防火・避難に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 3
1.正しい。法35条の2、令128条の4第1項二号、令128条の5第2項、同7項:自動車車庫は、規模に関わらず、内装制限の対象であり、令128条の5第1項二号イ及びロに掲げる仕
 様が、設問に記述されている(条文参照)。なお、スプリンクラーの設置はないので、同7項における緩和条項には該当しない。
2.正しい。令126条の4かっこ書き:廊下及び階段が採光上有効に直接外気に開放されている場合には、この規定(非常用照明設置規定)の適用を除くとしているので、非常用の
 照明装置は必要としない。
3.誤り。令123条3項十二号:法別表第1(い)欄(1)項(4)項の用途の建築物の場合には、設問の通り、当該階に設ける各居室の床面積に8/100 を乗じたものとする必要があるが、共
 同住宅は、法別表第1(い)欄(2)項に該当する用途の建築物なので、当該階に設ける各居室の床面積に3/100 を乗じたものとすることができ、8/100 を乗じたものの合計以上とし
 なければならないという記述は、誤り。
4.正しい。令126条の6ただし書き二号:非常用の進入口を設けなくてもよい、ただし書き規定に該当する(条文参照)。

〔No.10〕 建築設備等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 2
1.正しい。法34条2項、令129条の13の2第一号:原則、高さ31mを超える建築物には、非常用の昇降機を設けなければならないが、政令に定めるものを除くとしており、令
 129条の13の2第一号において、高さ31mを超える部分を建築設備の機械室とする場合は該当するので、設問は正しい。
2.誤り。法28条3項、令20条の3第1項三号:原則、火気使用室には換気設備を必要とするが、政令に定めるものを除くとしており、令20条の3第1項において、換気設備を必要
 としない火気使用室が定義され、同二号で調理室が、同三号で調理室以外の場合が定義されており、設問のものは、調理室以外の場合の定義であり、調理室の条件である同二
 号には該当しないので、換気設備を設けなければならない。
3.正しい。令129条の7第四号、令129条の11:昇降路の出入口の床先と籠の床先との水平距離について、令129条の7第四号で定義されているが、乗用エレベーター及び寝台用
 エレベーター以外のものについては、令129条の11において、除外するとしている。
4.正しい。令126条の2の6第一号:主要な部分を不燃材料でつくるか、又は、防火上支障がないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いる場合としているので、どち
 らも認められる。

2020年10月11日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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令和2年(2020年)一級建築士試験問題解説 ③

2020-10-10 09:20:19 | ビジネス・教育学習
◇令和2年(2020年)一級建築士試験問題解説、今日は階段、防火区画、避難施設規定についてです。
◇階段規定に加えて、防火避難施設のNo.6、No.7、を、次回はNo.8~No.10と、分けて記述します。
◇問題文を参照しながら見てゆくと、分かり易いと思います。
◇問題文、正答表共に、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.にて参照できます。
◇下記URLにアクセスしてください。(Ctrlキーを押しながらクリックすると表示できます。)
問題文(法規)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gakka3.pdf
正答表(学科5科目):
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gokakukijun.pdf
⇒できない場合は、検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
 ホームページ内に、試験問題「過去問」にアクセスする「窓(メニュー)」があります。
 (1-6)過去の試験問題等というメニューがあります。

〔No. 5 〕 地上 2 階建ての事務所( 2 階の居室の床面積の合計が 300㎡ )に屋内階段(直階段)を設 ける場合、図のLの値として、建築基準法に適合する最小のものは、次のうちどれか。
正答 2
◇法36条:第2章(単体規定)の規定を補足する必要な技術基準を政令で定める。
◇令23条1項表(3)項:直上階の床面積が200㎡を超える地上階の階段の階段幅、蹴上、踏面の寸法。
 階段幅=120㎝以上、蹴上=20㎝以下、踏面=24㎝以上
◇令24条1項:表(1)、(2)以外の階段の高さが4mを超えるものには、踊り場を設ける。
  同・2項:踊り場の踏幅は、1.2m(120㎝)以上とする。

  従って、高さ4m以内ごとに踏幅120㎝の踊り場を設置
◇(階の高さ)420㎝÷20㎝(蹴上)=21段(必要段数)
◇(必要段数)21-1(上がりきった部分は2階床面となる)=20面(必要な踏面の数)
 ⇒ 踏面24㎝の階段が19面+踏幅120㎝の踊り場が1面=20面
◇必要な階段の長さ(L)=(踏面)24㎝×19面+120㎝=576㎝ ⇒ 5.76m・・・「2」

〔No. 6 〕 防火区画等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 2
1.正しい。令112条10項、法2条九号の二ロ、令112条18項二号ロ:令112条10項に基づき、竪穴区画に必要とする法2条九号の二ロに規定する防火設備については、令112条18
 項二号において、区画に用いる防火設備の要件として、設問の記述の通り、避難上及び防火上支障のない遮煙性能を有するものとしている。
2.誤り。令112条10項ただし書き二号:原則として、竪穴区画を必要とするが、ただし書き二号において、住戸内の階数が3であり床面積の合計が200㎡以内のものについて
 は、除外されているので、防火区画しなくてもよい。
3.正しい。令112条15項ただし書き:15項ただし書きの条文通り(条文参照)。
4.正しい。令114条2項:令112条3項一号に規定する強化天井ではない場合、学校は、防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめる必要がある。

〔No. 7 〕 避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、 いずれの建築物も各階を当該用途に供するものとし、避難階は地上1階とする。
1.主要構造部を耐火構造とした地上2階建て、延べ面積3,000㎡の物品販売業を営む店舗で、各階に売場を有するものにあっては、2階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通
 階段を設けなければならない。
2.主要構造部を耐火構造とした地上15階建ての共同住宅において、15階の居室及びこれから地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕
 上げを準不燃材料でした場合、当該居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離は、60m以下としなければならない。
3.主要構造部を耐火構造とした地上4階建ての共同住宅において、各階に住戸(1戸当たりの居室の床面積60㎡)が4戸ある場合、4階に避難上有効なバルコニーが設けられてい
 ても、避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。
4.主要構造部を耐火構造とした地上11階建ての共同住宅におけるメゾネット形式の住戸について、その階数が2であり、かつ、出入口が一の階のみにあるものの当該出入口のあ
 る階以外の階においては、その階の居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離は、40m以下としなければならない。

正答 2
1.正しい。令121条1項二号かっこ書き:延べ面積1,500㎡を超える物品販売業を営む店舗は、2方向避難が義務付けられている。また、物品販売業を営む店舗は、同2項によ
 る、緩和規定の対象となる用途の建築物ではない。
2.誤り。令120条1項の表(2)項、同2項ただし書き:15階以上の階の居室の場合は、令120条2項ただし書きにより、仕上げを準不燃材料とした場合であっても、緩和規定(10を
 加えた数値)の対象とはならず、令120条1項の表(2)項に基づき、歩行距離は、「50m」以下となるので、「60m」以下とするのは誤り。なお、同3項において、15階以上に居室
 がある場合において、前項(2項)に該当しない、すなわち、主要構造部が準耐火構造又は不燃材料でつくられていない場合には、第1項の表の値から10を減じた数値としてい
 る。
3.正しい。令121条1項五号、同2項:その階の居室の床面積の合計が240㎡(60㎡×4戸)なので、主要構造部が耐火構造であり、第2項の緩和規定を適用しても「200㎡」を超える
 ものは、2以上の直通階段が必要である。
4.正しい。令120条4項:メゾネット形式の住戸については、出入り口がない階の歩行距離については、40m以下とする必要がある。

2020年10月10日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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令和2年(2020年)一級建築士試験問題解説 ②

2020-10-09 09:06:03 | ビジネス・教育学習
◇令和2年(2020年)一級建築士試験問題の解説、今日は確認申請等の制度規定について進めていきます。
◇問題文を参照しながら見てゆくと、分かり易いと思います。
◇問題文、正答表共に、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.にて参照できます。
◇下記URLにアクセスしてください。(Ctrlキーを押しながらクリックすると表示できます。)
問題文(法規)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gakka3.pdf
正答表(学科5科目):
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gokakukijun.pdf
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 (1-6)過去の試験問題等というメニューがあります。

〔No. 3 〕 都市計画区域内における次の行為のうち、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要がないものはどれか。
正答 4
1.確認が必要。法87条の4、令146条1項一号:エレベーターは、政令で指定する昇降機であり、法6条1項の一号~三号建築物に設置する場合、確認申請を必要とする。
2.確認が必要。法87条、令137条の18ただし書き、同六号:博物館の図書館への用途変更は、原則、令137条の18第六号に該当する確認を必要としない類似用途であるが、同条
 ただし書きにおいて、第一種低層住居専用地域において、第六号の類似の用途変更をする場合には、類似用途としないとしているので、この用途変更は、確認を要する。
3.確認が必要。法88条、令138条2項三号:原動機を使用する回転運動をする遊戯施設としてのメリーゴーラウンドは、政令で指定する工作物であり、確認申請を必要とする。
4.確認を必要としない。法6条1項:設問の用途、規模、構造の建築物は、法6条1項の一号~三号建築物に該当しないので、大規模修繕、大規模模様替、及び都市計画区域内の
 建築行為(新築、改築、増築、移転)において、確認申請を必要としない。

〔No. 4 〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 4
1.正しい。法90条の3、令147条の2第一号、法7条の6かっこ書き、令13条の2:原則、法90条の3により工事中の安全措置計画の届け出に関して、令147条の2第一号に定める物
 品販売業を営む店舗は提出の対象であるが、法7条の6(建築物の使用制限規定)かっこ書きにおいて、「ガラスの取り換え工事」は、令13条の2に規定する避難施設等の範囲に含
 まれない軽易な工事としているので、届け出の必要はない。
2.正しい。法12条3項、令16条3項一号、令129条の3第1項一号:エレベーターは、令16条3項一号において、令129条の3第1項一号に定義する昇降機として、法12条3項に定め
 る特定建築設備として定義されているので、法12条3項に基づき、定期報告制度の対象となる。
3.正しい。法6条1項かっこ書き、施行規則3条の2第1項三号:設問のものは、省令(施行規則)で定める軽微な変更であり、法6条1項かっこ書きにおいて、軽微な変更は、確認を
 必要としないとしている。
4.誤り。法7条の6、法6条1項:設問の建築物は、法6条1項の一号~三号建築物に該当しない、四号建築物なので、検査済証の交付を受けなければ使用できないという、法7条
 の6の規定の対象ではない。

余計な一言:確認申請、検査規定共に、法6条1項の一号建築物~三号建築物と、四号建築物の扱いが異なる部分を、問題として突いてきています。これは、ニ級建築士試験の場
 合、毎年のように繰り返されている部分ですので、昨年までに二級建築士試験を合格した人には、取り組みやすかった気がします。ただ、二級では突いてこない馴染みのない
 部分が、正答ではないにしても混入していますので、少々、迷いを誘っているかもしれません。例えば、令137条の18ただし書きの、用途地域によっては、類似用途としない
 規定を絡ませている部分などがあります。

2020年10月9日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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令和2年(2020年)一級建築士試験問題解説 ①

2020-10-08 09:13:08 | ビジネス・教育学習
◇令和2年(2020年)一級建築士試験問題の解説を、今日から進めていきます。
◇問題文を参照しながら見てゆくと、分かり易いと思います。
◇問題文、正答表共に、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.にて参照できます。
◇下記URLにアクセスしてください。(Ctrlキーを押しながらクリックすると表示できます。)
問題文(法規)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gakka3.pdf
正答表(学科5科目):
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gokakukijun.pdf
⇒できない場合は、検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
 ホームページ内に、試験問題「過去問」にアクセスする「窓(メニュー)」があります。
 (1-6)過去の試験問題等というメニューがあります。

〔No. 1 〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 3
1.正しい。令9条三号、同十六号:建築基準関係規定は、令9条に列記されており、設問の法律の条項は、該当している。
2.正しい。令112条1項後段、令109条:防火設備として、令109条に定義する防火戸で、両面1時間の遮炎性能を有するものをいう。
3.誤り。法2条九号の二イ(2)かっこ書き(ⅰ):外壁以外の主要構造部に関しては、「耐火構造」または、「屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えるもの」と定義されており、「周囲において発生する通常の火災による火熱・・・」ではない。
4.正しい。令1条三号:建築物の自重、積載荷重等を支える床版は、最下階であっても、「構造耐力上主要な部分」である。

〔No. 2 〕 面積、高さ又は階数に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 3
1.正しい。令2条1項四号:建築面積の1/8以下の場合の控除規定は、「建築物の高さ、建築物の階数」を算定する場合にはあるが、延べ面積の算定規定には、そのような条文はない。
2.正しい。令2条1項七号、令2条2項、法56条の2第1項、別表第4の表:日影規制の制限を受ける建築物の規制は、令2条の規定に基づき算定するので、設問は、条文通りの算定方法を記述している(条文参照)。
3.誤り。法56条6項、令135条の3第1項二号:隣地斜線制限において、隣地との高低差がある場合には、1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなすという緩和規定で、当該高低差の1/2ではない。
4.正しい。令2条1項八号:条文通りの設問の記述である(条文参照)。

2020年10月8日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
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