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令和2年(2020年)一級建築士試験問題解説 ③

2020-10-10 09:20:19 | ビジネス・教育学習
◇令和2年(2020年)一級建築士試験問題解説、今日は階段、防火区画、避難施設規定についてです。
◇階段規定に加えて、防火避難施設のNo.6、No.7、を、次回はNo.8~No.10と、分けて記述します。
◇問題文を参照しながら見てゆくと、分かり易いと思います。
◇問題文、正答表共に、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.にて参照できます。
◇下記URLにアクセスしてください。(Ctrlキーを押しながらクリックすると表示できます。)
問題文(法規)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gakka3.pdf
正答表(学科5科目):
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2020-1st-gokakukijun.pdf
⇒できない場合は、検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
 ホームページ内に、試験問題「過去問」にアクセスする「窓(メニュー)」があります。
 (1-6)過去の試験問題等というメニューがあります。

〔No. 5 〕 地上 2 階建ての事務所( 2 階の居室の床面積の合計が 300㎡ )に屋内階段(直階段)を設 ける場合、図のLの値として、建築基準法に適合する最小のものは、次のうちどれか。
正答 2
◇法36条:第2章(単体規定)の規定を補足する必要な技術基準を政令で定める。
◇令23条1項表(3)項:直上階の床面積が200㎡を超える地上階の階段の階段幅、蹴上、踏面の寸法。
 階段幅=120㎝以上、蹴上=20㎝以下、踏面=24㎝以上
◇令24条1項:表(1)、(2)以外の階段の高さが4mを超えるものには、踊り場を設ける。
  同・2項:踊り場の踏幅は、1.2m(120㎝)以上とする。

  従って、高さ4m以内ごとに踏幅120㎝の踊り場を設置
◇(階の高さ)420㎝÷20㎝(蹴上)=21段(必要段数)
◇(必要段数)21-1(上がりきった部分は2階床面となる)=20面(必要な踏面の数)
 ⇒ 踏面24㎝の階段が19面+踏幅120㎝の踊り場が1面=20面
◇必要な階段の長さ(L)=(踏面)24㎝×19面+120㎝=576㎝ ⇒ 5.76m・・・「2」

〔No. 6 〕 防火区画等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 2
1.正しい。令112条10項、法2条九号の二ロ、令112条18項二号ロ:令112条10項に基づき、竪穴区画に必要とする法2条九号の二ロに規定する防火設備については、令112条18
 項二号において、区画に用いる防火設備の要件として、設問の記述の通り、避難上及び防火上支障のない遮煙性能を有するものとしている。
2.誤り。令112条10項ただし書き二号:原則として、竪穴区画を必要とするが、ただし書き二号において、住戸内の階数が3であり床面積の合計が200㎡以内のものについて
 は、除外されているので、防火区画しなくてもよい。
3.正しい。令112条15項ただし書き:15項ただし書きの条文通り(条文参照)。
4.正しい。令114条2項:令112条3項一号に規定する強化天井ではない場合、学校は、防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめる必要がある。

〔No. 7 〕 避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、 いずれの建築物も各階を当該用途に供するものとし、避難階は地上1階とする。
1.主要構造部を耐火構造とした地上2階建て、延べ面積3,000㎡の物品販売業を営む店舗で、各階に売場を有するものにあっては、2階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通
 階段を設けなければならない。
2.主要構造部を耐火構造とした地上15階建ての共同住宅において、15階の居室及びこれから地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕
 上げを準不燃材料でした場合、当該居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離は、60m以下としなければならない。
3.主要構造部を耐火構造とした地上4階建ての共同住宅において、各階に住戸(1戸当たりの居室の床面積60㎡)が4戸ある場合、4階に避難上有効なバルコニーが設けられてい
 ても、避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。
4.主要構造部を耐火構造とした地上11階建ての共同住宅におけるメゾネット形式の住戸について、その階数が2であり、かつ、出入口が一の階のみにあるものの当該出入口のあ
 る階以外の階においては、その階の居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離は、40m以下としなければならない。

正答 2
1.正しい。令121条1項二号かっこ書き:延べ面積1,500㎡を超える物品販売業を営む店舗は、2方向避難が義務付けられている。また、物品販売業を営む店舗は、同2項によ
 る、緩和規定の対象となる用途の建築物ではない。
2.誤り。令120条1項の表(2)項、同2項ただし書き:15階以上の階の居室の場合は、令120条2項ただし書きにより、仕上げを準不燃材料とした場合であっても、緩和規定(10を
 加えた数値)の対象とはならず、令120条1項の表(2)項に基づき、歩行距離は、「50m」以下となるので、「60m」以下とするのは誤り。なお、同3項において、15階以上に居室
 がある場合において、前項(2項)に該当しない、すなわち、主要構造部が準耐火構造又は不燃材料でつくられていない場合には、第1項の表の値から10を減じた数値としてい
 る。
3.正しい。令121条1項五号、同2項:その階の居室の床面積の合計が240㎡(60㎡×4戸)なので、主要構造部が耐火構造であり、第2項の緩和規定を適用しても「200㎡」を超える
 ものは、2以上の直通階段が必要である。
4.正しい。令120条4項:メゾネット形式の住戸については、出入り口がない階の歩行距離については、40m以下とする必要がある。

2020年10月10日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
コメント (1)
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