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人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

二級建築士試験2022ブログ講座⑬(2021年試験問題解説)

2022-03-23 10:16:35 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アド
 レスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
 なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
 ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
  「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.15〕容積率と建蔽率に関する記述で、正しいものを選択する問題です。「誤り」を選択する問題は、得意な人が多いですが、「正しい」ものを選択する問題は、意外と皆さんの弱点のようです。注意しましょう!
1. 誤り。令2条1項四号ただし書き
  容積率算定用延べ面積控除(算入しない)規定が、令2条1項四号に記述されているが、昇降機塔の建築物の屋上部分は、含まれていない。原則、令2条1項四号において、延べ
 面積が定義され、建築物の各階の床面積の合計によるとしており、ただし書きで「法52条第1項に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率
 の算定の基礎となる延べ面積を除く。)には、次に掲げる建築物の部分の床面積を算入しない。」としています。
2.誤り。令2条1項ただし書き四号、同3項六号
  宅配ボックスの容積率算定用控除面積は、1/100を限度としているので、1/50は基準に適合しない。ただし書き四号の規定を受けて、具体的数値が、令2条3項に記述されてい 
 ます。
   自動車車庫等部分・・ 1/5
   備蓄倉庫部分・・・・ 1/50
   蓄電池設置部分・・・ 1/50
   自動発電設設置部分・ 1/100
   貯水槽設置部分・・・ 1/100
   宅配ボックス・・・・ 1/100
3.誤り。法53条6項一号
  建蔽率8/10地域内で、防火地域内の耐火建築物への建蔽率の制限はない。なお、建蔽率8/10地域外であっても、法53条3項一号に基づき、防火地域内、準防火地域内の耐火建
 築物には、1/10の緩和があり、同二号に基づき、特定行政庁による角地の指定のある場合の1/10の緩和があるので、両方を加算でき、結果、建蔽率は10/10となる。
4.誤り。法53条の2第2項:最低限度は、200㎡を超えてはならないとしている。条文参照。
5.正しい。法52条6項:容積計算不算入(緩和)事項が規定されている。
  ・すべての建築物の昇降機の昇降路部分は、容積率算定用床面積の控除部分である。
  ・共用廊下、階段部分に関しては、住宅及び老人ホーム等が、控除部分である。
  なお、法52条3項に規定する、住宅、老人ホーム、福祉ホーム等の天井が地盤面から1m以下にある地階部分の居室の床面積についても、1/3を限度として、容積率算定用床
   面積控除ができる規定がある事にも注意する必要がある。

〔No.16〕図形計算問題で、許容延べ面積を求める問題です。
  原則:計算に採用する容積率において、幅員12m未満の前面道路に接する場合は、問題にある都市計画による容積率との比較で、道路幅員に係数をかけた数値以下とする必 
 要がある。通称「道路容積率」と称しているが、住居系用途地域「4/10」、その他の用途地域「6/10」と規定されている。
  なお、2面以上の道路に接する場合、広い道路幅に接しているとして算定できる。
  また、2以上の用途地域に渡る場合は、各地域内で計算して合算する、通称「面積加重平均」で算定する。
 ◇法52条2項:前面道路が12m未満の場合、道路容積率以下であることを要求。
       2つ以上の道路がある場合には最大幅で計算(広い道路幅で計算)。
  ⇒都市計画容積率(図に記載)と計算した道路容積率の厳しい方で算定する。
 ◇法52条2項一号、二号(住居系):道路幅に乗ずる係数は4/10(本問は共に住居系)
       同三号(住居系以外) :道路幅に乗ずる係数は6/10
 ◇法52条7項:各部分の敷地面積の割合に乗じて得たものを合計する。(面積加重平均で算出)
 ◇法52条9項:特定道路は問題文で影響しないと定義。
 ◇令2条1項一号、法42条2項(みなし道路境界線による敷地算出)
  (宅地との間の4m未満の道の場合は、道の中心線から2mの位置が道路境界線)
 ◇容積率算定
  ・第一種低層住居専用:(道路容積率)6m×4/10=24/10>20/10(都市計画容積率)
  ・第一種住居地域:(道路容積率)6m×4/10=24/10>30/10(都市計画容積率)
 ◇第一種低層住居専用の延べ面積の最高限度:(11-1)×15×20/10=300㎡
 ◇第一種住居地域の延べ面積の最高限度:10×15×24/10=360㎡
 ∴建築物の延べ面積の最高限度:300+360=660㎡・・・正答「2」

【蚯蚓の戯言(建蔽率・容積率)】
 ◇少しずつ、改正法が導入されてきていることには、注意しています。
 ◇当然過去問にはないので、対面講座の演習では、オリジナル問題で演習します。
 ◇準備が一苦労なのですが、新しい問題を考えるのも、楽しいものです。
 ◇R3年試験でも、簡単な部分から少しずつ改正法が挿入されてきています。
 ◇中でも建蔽率計算で、準防火地域の1/10緩和に関する問題が未出題なのが気がかりです。
 ◇改正法ではないですが、防火地域内の準耐火建築物への緩和がない規定との関連問題には注意です。
 ◇一方で、防火地域内の耐火建築物への建蔽率適用なしの規定の出題率が高い。
 ◇注意事項は、用途地域(二号から四号までの地域)と建蔽率(8/10地域内)で制約されていることです。
 ◇容積率計算では、地階部分(地盤面下1m以下部分)の1/3不算入条項の図形計算問題が弱点かも?
 ◇法52条6項の昇降路部分と、住宅の共用部分の容積率面積不算入規定も、受講生の弱点部分。
 ◇容積率計算では、図形問題に注意が注がれがちですが、意外と、3項6項が落とし穴です。
 ◇出題傾向の表を参照して、重要であることを認識していただければと思います。

2022年3月23日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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二級建築士試験2022ブログ講座⑫(2021年試験問題解説)

2022-03-22 09:50:34 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アド 
 レスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
 ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
  「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.13〕2階建て、延べ面積300㎡の建築物が、建築できる建築物を問う問題です。
1.新築できる。法48条13項:別表第2(わ)項を参照すると、一号に(を)項に掲げるものとあるので、それを含めても、建築してはならない建築物に、設問の用途のものは該当し
 ないので、建築できることがわかります。
2.新築できる。法48条8項、別表第2(ち)項四号、令130条の9の4第二号:別表の文言で、建築できることは理解できますが、政令(令130条の9の4)を参照すると、第二号におい
 て、問題文と同じ文言で記述されています。また規模の条件があり、別表の記述に、3階以上の部分を除き、500㎡以内とされているので、2階建て以下、延べ面積500㎡ 以内 
 であれば建築できることになる。
3.新築できる。法48条6項、別表第2(へ)項:建築してはならない建築物に該当する用途はないので、建築できる。ちなみに、別表第2(ほ)項二号に該当し、第一種住居地域内に
 おいては、建築してはならない建築物となる。
4.新築できない。法48条2項、別表第2(ろ)項二号、令130条の5の2第一号:政令(令130条の5の2第一号)の規定より、用途上は建築できるが、別表第2(ろ)項二号の規定により、
 2階建てであっても、 建築できる規模を、床面積の合計が150㎡以内に限定しているので、問題文にある、300㎡の建築物は、建築できないことになる。
5.新築できる。法48条1項、別表第2(い)項九号、令130条の4第二号:別表第2(い)項九号に、政令(令130条の4)で定める公益上必要な建築物というのがあり、「老人福祉センタ
 ー」は、令130条の4第二号に該当するので、公益上必要な建築物として定義される。ただし規模の規制に注意する必要があり、政令において600㎡以内であれば建築できると
 しているので、本問の場合、300㎡なので、建築できることになる。

〔No.14〕図形問題で、2階建て、延べ面積600㎡の建築物が、新築できる建築物かを問う問題で、用途規制の前提条件から整理していきます。
[図形問題の前提条件] 法91条:過半の敷地の用途地域の規制による。
 準住居地域の敷地面積:(10+10)×20=400㎡
 第一種中高層住居専用地域の敷地面積:(10+10)×16+10×10=420㎡
 従って、第一種中高層住居専用地域の敷地面積の方が大きいので、
 敷地全体が、法48条3項、別表第2(は)項の第一種中高層住居専用地域の用途規制を受ける。
1.新築できない。別表第2(は)項の建築できるものには該当しない。
 ・(に)項一号で規制(第二種中高層で建築できない) ⇒ (リ)項二号に規定
 ・(ほ)項一号で規制⇒(へ)項一号⇒(り)項二号に規定
 ・なお(を)項三号、(わ)項一号においても規制している。
 ・結果として、商業地域、準工業地域以外の地域では、新築できないことになる。
 ※なお、料理店と飲食店とは、建築基準法上、扱いが異なることに注意する。
2.新築できない。別表第2(は)項の建築できるものには該当しない。ちなみに、(に)項(第二種中高層住居専用地域)四号に該当し、第二種中高層住居専用地域でも建築できず、当 
 然、第一種中高層住居専用地域でも建築できない。
3.新築できない。(は)項五号、令130条の5の3第一号、令130条の5の2第二号:用途的には、建築できるものに含まれるが、別表第2(は)項五号において、床面積の合計が500㎡
 以内に限定しており、設問の600㎡のものは新築できない。
4.新築できない。別表第2(は)項の建築できるものには該当しない。ちなみに演芸場は、
 ・(に)項(第二種中高層住居専用地域)一号 ⇒(へ)項三号で演芸場の用途を規制
  第二種中高層住居専用地域でも建築できず、当然、第一種中高層住居専用地域でも建築できない。
 ・(と)項五号の規定により、客席部分の床面積合計が200㎡未満であれば、準住居地域において、演芸場を新築することができる。 が規制
5.新築することができる。別表第2(は)項七号、令134条の5の4第一号かっこ書き:別表第2(は)項七号に掲げる、公益上必要な建築物として、政令(令134条の5の4)で定めるもの
 に含まれている用途の建築物なので、原則、建築することでき、かつ、かっこ書きで規模(5階以上をその用途に供する)が規制されているが、4階建以下であれば建築できるの
 で、設問の2階建てのものは新築できる。

【蚯蚓の戯言(内装制限)】
◇用途規制の問題は、文章で問う問題と、図形問題の2問構成で構成されるのが通常です。
◇文章問題では、第一種低層住居専用地域から第二種中高層住居専用地域にわたる問題が多い。
◇加えて、田園住居地域が加わり、別表の記載位置が離れていることに注意です。
◇田園住居地域は、第二種低層住居専用地域とほぼ同じ規制で、地産地消を目的として、地場産業育成を含めた緩和が加わっているだけです。
◇具体的には、本来150㎡に規制している店舗面積(飲食店を含めて)が、500㎡に緩和されています。
◇それに、工業専用地域等が、設問に加わってくるのが通例ですが、その部分が正答になる確率は低い。
◇また、日刊新聞の印刷所の面積規制がない部分をついてくる事例(誤答誘発)があり、注意です。
◇図形問題では、建築物の位置に関係なく、面積が大きい敷地の用途規制に従うことを忘れない事です。
◇用途規制の問題は、政令との照合が必ず必要となるので、日頃の法令集活用訓練が重要です。
◇あと気になるのは、法改正で加わった「特例許可(法48条15項)」の出題の有無です。
◇同16項において、建築審査会の同意を必要とせずに、特定行政庁が許可できるという緩和です。
◇「特定行政庁は、・・・について、建築審査会の同意を得る必要はない・・・」という表現か?


2022年3月22日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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二級建築士試験2022ブログ講座⑪(2021年試験問題解説)

2022-03-18 10:17:02 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)

なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
 「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.12〕道路の定義、接道義務、道路内建築制限に関する記述で、誤っているものを選択する問題です。
1.正しい。法43条2項二号:2mの接道義務に関して、道路に2m以上接しなくても、建築審査会の同意を得て特定行政庁が許可する制度。従前よりある特定行政庁による許可
 制度ですが、注意が必要なのは、同条2項一号に規定する、認定制度の方です。省令(規則)で道路の基準(規則10条の3第1項)、建築物の基準(規則10条の3第3項)が定められてお 
 り、建築確認審査同様に、基準との照合で、事務的に審査ができるようにしている条項です。技術基準の数値があるので、出題され易い事項です。
  ①施行規則10条の3第1項(道の基準)
   一号:農道その他これに類する公共の用に供する道
   二号:令144条の4第1項(私道の基準)各号に掲げる基準に適合する道
      ※私道基準が絡んでいて複合問題が容易なので、併せて私道基準の把握が必要です。
  ②施行規則10条の3第3項(建築物の基準)
   延べ面積200㎡以内の一戸建住宅(同一敷地内に2以上の建築物がある場合にあっては、その合計)
2.正しい。法43条3項:各号に該当する建築物への条例による制限を付加する制度。
  一号:特殊建築物
  二号:階数が3以上の建築物
  三号:政令(例144条の5)で定める無窓居室
  四号:延べ面積が1,000㎡を超える建築物
3.誤り。法85条2項:工事を施工するために現場に設ける事務所においては、原則、第3章の規定は、適用しないとしているので、法43条の接道義務(道路に2m以上接しなけら
 ばならない)の適用はない。
  法85条の仮設建築物への緩和規定は、No.20においても出題の多い部分ですので、重ねて注意が必要な条項です。現場仮設事務所についての試験問題の範疇での留意事項
 は、あくまで現場敷地内であることと、法20条の構造耐力規定は除外されていない(鉄骨2階建てであれば、原則、構造計算規定の適用がある)ことです。
4.法42条1項五号、令144条の4第1項一号ニ:幅員6m以上の場合、終端に自動車の回転広場がなくても、法42条1項五号に基づき、袋地状の私道として、特定行政庁から位置の
 指定を受けることができる。
  私道として特定行政庁から位置指定を受けるための技術基準(令144条の4)の中で最もシンプルな定義が、この「令144条の4第一号ニ」です。細かい技術基準を示している中
 で、幅員6m以上であればよいとしている。私道基準の規定は、法43条2項一号に基づく施行規則10条の3第1項(道の基準)と連携する技術基準ですので、複合問題に注意で
 す。
5.法42条2項:「通称:2項道路」と称される道で、建築基準法上「道路」であるが、敷地面積算定の場合には注意する。
 令2条1項一号の敷地面積の条項で、法42条第2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地は、敷地面積に算入しない。
  ①反対側が宅地の場合には、道路の中心線から、それぞれ2m後退した位置
  ②川や線路敷地の場合は、その境界線から4m後退した位置

◇道路定義で重要なその他事項
 ①法44条の道路内の建築制限
  ・原則、道路内への建築制限をしているが、ただし書きで除外しているものがある。
  ・特に法44条ただし書き一号の「地盤面下に設ける建築物」は、特定行政庁の手続きを必要としない、事務的処理ができる事項なので、出題も多い事項。
 ②接道義務(法43条)と道路内建築制限(法44条)の違いへの注意
  法68条の7第4項で予定道路が指定された場合には、道路とみなして法44条の規定(道路内の建築制限の規定)を適用するが、法43条(接道義務)の規定の適用には触れてい 
  ない。従って、接道義務は2年以内に執行予定の事業決定が必須条件。
 ③法47条(壁面線による建築制限):壁面線により建築規制しているのは、建築物の壁、柱、高さ2mを超える門、塀であり、屋根、庇は規制対象としていない。庇は壁面線を超 
  えて建築できるので、特定行政庁の許可を必要としない。

【蚯蚓の戯言(内装制限)】
◇法43条の認定道路の規定が新設されて、そろそろ、試験問題に反映される頃かと推察します。
◇規則(省令)で具体的数値が示されているので、試験問題が作り易い。
◇法43条の接道義務と法42条の道路定義は、複合問題として出題し易い部分。
◇法44条の道路内建築制限も、法42条の道路定義との複合問題が出題し易い部分。
◇この分野は、法42条の道路定義の条項を、しっかり理解することに尽きる気がする(下記の表参照)。


2022年3月18日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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二級建築士試験2022ブログ講座⑩(2021年試験問題解説)

2022-03-17 09:54:56 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
 ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験 すると、マトリックスの表が表示されますので、
  「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.11〕内装制限に関する記述で、誤っているものを選択する問題です。
1.正しい。令128条の4第1項の表(1)項:客席の床面積の合計が100㎡以上の集会場(1時間準耐除く)は、内装の制限を受ける。
2.正しい。令128条の4第1項の表(2)項、同条3項:特殊建築物としての旅館の内装制限は、2階の床面積が300㎡以上のものが対象なので、設問の平家は対象外であるが、令128
 条の4第3項の規定において、特殊建築物ではなくとも、階数が1で、延べ面積が3,000㎡を超える建築物は、内装制限の対象としている。
3.正しい。令128条の4第4項:住宅(兼用住宅を含む)の場合、2階建ての2階にある調理室は、内装制限を受けない。
4.正しい。令128条の4第1項二号、令128条の5第2項、令128条の5第1項二号(条文参照)。
5.誤り。令128条の4第1項三号:地階に設ける居室を有する建築物は、別表第1(い)欄(1)項、(2)項、(4)項に掲げる用途に供する居室を持つ特殊建築物を対象としており、当該居
 室の用途にかかわらず、内装の制限を受けるわけではない。

①内装制限の規制対象となる特殊建築物
 ・別表第1の(1)項(2)項(4)項の用途に供するもので、その主要構造で3種類に分類。
 ・「耐火構造、1時間準耐火」、「通常の45分準耐火」「それ以外(主に木造)」
 ・それぞれ面積別に分類した規制を、令128条の4第1項の表に整理している。
 ・別表第1の(3)項の学校等に関しては、内装制限の規制対象外としている。
 ・同二号において、表に記載していない用途の自動車車庫、修理工場は、条件抜きで規制対象。
 ・同三号において、地下に別表第1の(1)項(2)項(4)項の用途に供する居室を有すると規制対象。
②特殊建築物という用途ではなく、建築物の規模で規制している一般建築物:同2項と同3項で規制。
 ・階数が3以上、500㎡を超える建築物(学校等は除く)
 ・階数が2で、1,000㎡を超える建築物(学校等は除く)
 ・階数が1で、3,000㎡を超える建築(学校等は除く)      
③同4項では、住宅等を含む、調理室等(台所)の火気使用室の内装制限をしている。
 ・主要構造部が耐火構造ではない、建築物の調理室、浴室その他の火気使用室。
 ・住宅(兼用住宅を含む)の場合、最上階以外の階の調理室(台所)
  ⇒平家、2階建ての2階、3階建ての3階の台所は規制対象外。

④令128条の5:規制対象建築物(令128条の4)の仕上げ仕様で、準不燃以上を要求しているもの
 ・3階以上の階の居室を各用途に供する居室の天井部分
 ・当該用途に供する居室から地上に通ずる主たる廊下、階段、通路の壁及び天井の室内に面する部分
  ※この部分は、令128条の4第2項、3項の一般建築物の廊下、通路等も同じ
 ・自動車車庫・修理工場等
 ・令128条の4第4項で対象としている火気使用室
⑤同、難燃以上を要求しているもの
 ・令128条の4第1項一号に掲げる特殊建築物の居室の壁及び天井の室内に面する部分
 ・令128条の4第2項、3項の一般建築物の居室
⑥規制を適用除外している部分
 ・居室の壁の部分で床面から1.2m以下の部分(ただし自動車車庫・修理工場は除外され規制対象)
 ・回り縁、窓台など。
 ・また、天井部分で、天井が無い場合には、屋根を規制対象としている。

【蚯蚓の戯言(内装制限)】
◇この分野は、内容を理解することにより、法令集を一目見ただけで回答できる。
◇と、過去、受講生が口にしていた、得意な人にはポイントゲット分野のようです。
◇令128条の4の規制対象特殊建築物の分類表の理解が重要です。
◇理解とは、一目で判断できるということです(法令集のどの表も同じかもしれませんが・・・)

2022年3月17日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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二級建築士試験2022ブログ講座⑨(2021年試験問題解説)

2022-03-16 10:30:36 | ビジネス・教育学習
2021年(令和3年)の試験問題解説を軸に、過去の出題傾向を踏まえて、重点事項と出題予測推論を加えて解説していきます。
 試験問題については、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」のホームページで公開されていますので、そちらを参照してください。直接アクセスできるように、アドレスを記載します。 2k-2021-1st-gakka1_2.pdf (jaeic.or.jp)
 なお、アクセスできない場合には、「公益財団法人 建築技術教育普及センター」ホームページから、次の手順で入ってください。
  ①資格試験⇒②二級建築士⇒③(1-6)過去の試験問題等⇒④学科の試験
  すると、マトリックスの表が表示されますので、「令和3年 学科Ⅰ及び学科Ⅱ」と「合格基準点⇒正答肢等」を参照してください。

〔No.10〕主要構造部を準耐火構造とした、木造2階建て、延べ面積600㎡(各階の床面積300㎡、2階居室の床面積250㎡)の物品販売業を営む店舗の避難施設等に関して、誤っているものを問う問題です。
1.正しい。令115条の3第三号、別表第1(4)項、令120条1項表:物品販売業の店舗(別表第1(4)項に該当)で、準耐火構造の建築物の場合、直通階段の一に至る歩行距離は「30m以
 下」とすればよい。
2.誤り。令117条、令121条1項六号ロ、同条2項:物品販売業の店舗(別表第1(4)項に該当)で、1,500㎡以下の場合、令121条1項二号に該当せず、2方向避難を必要としない。ま
 た、避難階の直上階が、200㎡を超える場合(設問は250㎡)、2方向避難を必要とするが、同2項に基づき、準耐火構造の場合には、400㎡と読み替えることができるので、この
 規定にも該当せず、2以上の直通階段を設ける必要はない。
  この肢問2は、2つの視点から確認が必要な問題で、一つは令121条1項二号の、物品販売業を営む店舗としての規制で、かっこ書きで、床面積が1,500㎡以上を対象として規
 制しているので、本問は対象外です。
  もう一つは、令117条の規制対象の原則により、別表第1(1)項~(4)項の用途の特殊建築物を対象とし、令121条1項六号ロにおいて、5階以下の建築物における、避難階以外の
 居室の床面積により規制範囲を決めています。2階建てなので、避難階の直上階の規制対象床面積は、200㎡となり、原則、設問の250㎡は規制対象となるが、同令2項におい
 て、主要構造部を準耐火構造としたものへの緩和条項があり、規制対象値を」400㎡とできるとしているので、結果として、令121条の規定に基づく、2以上の直通階段を設け
 る規定の対象とはならない。
3.正しい。令126条の2第1項ただし書き五号:原則、面積500㎡を超える建築物は、排煙設備設置義務があるが、排煙設備の設置義務を除外されている、同条文のただし書き五
 号の規定に該当する。
4.正しい。別表第1(1)項~(4)項、令126条の4かっこ書き:原則、別表第1(1)項~(4)項に該当する特殊建築物には、非常用照明の設置義務があるが、令126条の4の条文中のかっ
 こ書きにおいて、「採光上有効に直接外気に開放されたもの」に関して、適用が除外されている。
5.正しい。令128条:階数が3以下で、延べ面積が200㎡未満の建築物は、通路幅を90㎝としてもよいとしているが、設問の延べ面積600㎡のものは、従来通り、1.5m以上の通
 路幅を要求している。
  法改正事項が、ここでも出題されてきました。簡単な事項ですので、昨年度の受講生には、注意するように促していた事項の一つです。

【蚯蚓の戯言(避難施設等)】
◇避難施設の規定で、令121条の2方向避難の規定は、非常に重要な事項と思われ、出題の常連です。
◇選択問題の一部としての出題、5択での出題と様々ですが、正答での出題確率が80%を超えています。
◇令121条は、一級建築士試験でも、出題確率の高い事項で、完全習得しても損はないと思います。
◇加えて重視しているのは、R2改正法なので、出題実績はないですが、令121条4項です。
◇「準竪穴区画」同様に、法27条の緩和条項挿入で、規制が外れた部分をフォローする新設規定です。
◇原則、2方向避難を要しますが、3階建て200㎡未満の建築物への2方向避難を求めない規定です。
◇条件は、準竪穴区画同様に、対象用途と規制内容を、一号と二号に区分けしています。
◇階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の建築物への緩和に注意が必要な条項は、次のような事項です。
 ・特殊建築物の防火規制緩和(法27条)
 ・竪穴区画の規制緩和(準竪穴区画:令112条12項13項)
 ・2方向避難の緩和(令121条4項)
 ・敷地内通路幅(令128条)
 ・定期報告制度(法12条)
◇排煙設備設置要求の基本事項(原則4つ)と、ただし書き緩和条文。
 ① 別表第1(い)欄(1)項から(4)項の特殊建築物で500㎡超えるもの
 ② 階数が3以上で、延べ面積が500㎡超える建築物(高さ31m以下で、100㎡毎に防煙壁で区画されたものを除く。)
 ③ 無窓居室(令116条の2第1項二号)
 ④ 延べ面積が1,000㎡をこえる建築物の居室でその床面積が200㎡を超えるもの(高さ31m以下で、100㎡毎に防煙壁で区画されたものを除く。)
 加えて、令116条の2第1項ただし書き(排煙設備を必要としない建築物の居室)
◇非常用照明設置要求の基本事項(原則5つ)と、ただし書き緩和条文。
 ①別表第1(い)欄(1)項から(4)項の特殊建築物の居室
 ②階数が3以上で、延べ面積が500㎡を超える建築物の居室
 ③無窓居室(令116条の2第1項一号に該当するもの)
 ④延べ面積が1,000㎡をこえる建築物の居室
 ⑤これらの居室から地上に通ずる階段、廊下等の通路⇒ただし、採光上有効に直接外気に開放された通路を除く。(①~④は居室への規制だが、⑤は通路への規制である。)
 加えて、令126条の4ただし書き(設置義務が除外されているもの)
◇あと出題傾向から、令120条の歩行距離の表も、問いかけに数値が回答できるようにしたい。

2022年3月16日 by SHRS(シュルズ) 建築基準適合判定資格者、一級建築士
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