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松尾家滞在記1 ~就労実習編~

2007年06月21日 | いろんなお話

                    先生の手から生徒の手へ

6月12日~16日の5日間、野母崎のステキな農家、松尾家に滞在してきました!

松尾ファミリーと知り合って早4年(くらい?)。昨年は5月末からに一週間ほど滞在し(→『松尾家滞在記』)、1年で最も忙しいという枇杷の収穫のお手伝いをさせて頂いたのですが、今年は去年の台風13号による塩害で、枇杷の収穫量が例年の十分の一程度だったこともあり、kero-keroの出番はなし…。と思いきや!今年は松尾家で養護学校の就労実習を受け入れることになり、初めての経験の上、人手も足りないということで、昨年に引き続き、めでたく私の出番がやってきました!

就労実習は13日~15日の3日間。中学部の8人の生徒さん達と4人の先生方が毎朝バスで松尾家を訪れ、午前中は10時~12時まで、午後は13時から13時30分まで、松尾家で農作業を体験します。ちょうど長崎の梅雨入りと重なり、3日間ともほぼ曇りまたは雨だったので、作業のほとんどは屋内で行うことになりました

                   

1日目はタマネギをピッタリ2㎏計って、ヒモと一緒に編み込んで、作業場の天井に吊す作業をしました。チョット難しかったようだけど、私たちと先生で補助をしながらなんとか完成 最初から作業に入ってしまったので、まずは三つ編みの練習から始めた方がよかったかもと後で反省しました。午後からは雨が上がった隙を見て畑の草むしりもしましたよ。

                   

2日目は私たちが前日に山に入って採ってきたハチクの皮むきと、薪で火を熾して釜で湯がく作業をしました。今年は60年に1度咲くといわれる竹の花が咲いていたせいか(竹は花を咲かせると一斉に枯れてしまうのです)、ハチクの数がすごく少なかったです。毎年同じように収穫できないのも農業の難しさですね。

                 

火吹き竹の扱いは実に見事でした!どんどん火力が上がっていきます。

                   

沸騰したお湯にぬかとトウガラシを入れ、そこに皮を剥いたハチクを投入!お湯がはねると危ないので、鍋肌からそ~っとね。

                   

午後はニンジンを収穫して葉っぱを取り、きれいに洗う作業をしました。雨が上がって良かったね!

                   

収穫したのはミニニンジンという種類。生で食べても美味しいですヨ

                  

3日目はお父さん自慢の石窯で焼くピザ作り体験と作業場の掃除などをやりました。ピザを最初から全部作ろうと思うと時間が足りないので、前日にお父さんが生地をこね、私がその生地をのばし、石窯で8枚分下焼きして、トッピングするだけにしておきました。生徒さん達も生地をのばす作業ができるように、4つだけ生地を残しておきます。

                   

こちらは生地をのばす作業をしているところ。打ち粉をたっぷりつけてめん棒で薄~く伸ばしていきます。

                   

こちらはトッピングをしているところ。下焼きした生地に自家製のトマトソース(トマト缶を煮詰め、塩・こしょうと自家製バジルペーストで味付けをしたもの)をまんべんなく塗り、その上から好きなように材料をトッピングしていきます。

                   

今回トッピングしたのは、インゲン・トマト・タマネギ・ピーマン・ベーコン・ジャガイモ、そしてたっぷりのチーズ。う~ん、めちゃめちゃ美味しそう!

                 

雨の中、みんなで外にある石窯の前でゆっくり100秒数えながらピザが焼けるのを待ちます。一体どんな風に焼き上がっているのかしら!?みんなワクワクドキドキしながら大きな声で数えました 

「1、2、3、4、…95、96、97、98、99、…100

                    

「焼けたよー

お父さんの声と同時に、きれいに焼き上がったピザが窯から出てきました 出てきた瞬間、みんなから「うわーぁ」という歓声が上がります。だってすごく美味しそうでしょ!?美味しそうじゃなくて、本当に美味しいんです 生地を一度下焼きするのが松尾家流で、柔らかいままの生地に具をのせて焼くより、生地がパリッと仕上がるのだそうです。このパリッとした生地の食感と、盛りだくさんの具のバランスが絶妙!生徒さん達も「おいし~い!」と言いながら、次から次にパクパク食べていました。みんなで一生懸命作ったピザだから、美味しさも倍増だよね!

                 

今回初めて養護学校の生徒さん達の就労実習に参加させて頂いて気付いたことがあります。それは、彼らがとても素直で、優しくて、いつも誰かのことを思いやっているということ。話すのがちょっと苦手だったり、歩くのが少し不自由だったり、一つの作業に集中しすぎてしまったり、逆に集中できなかったりと、少しずつ『障害』というものを抱えてはいるのかも知れないけど、みんな本当に素直で明るくて、彼らと接していると、こっちまで心が優しくなって、思わず笑みがこぼれてしまうんです。何にでも積極的に取り組むし、いつもお互いに声を掛け合い、助け合っている彼らを見ていると、「いったい何をもって『障害』というのだろう?」私の中にそんな疑問さえ湧いてきました。人の悪口を言って楽しんだり、弱い者をいじめたり、心に障害を持った人はいくらでもいるというのに…。社会が彼らをありのままに受け入れることができるようになれば、世の中はもっともっと明るくて楽しい社会に生まれ変わるんじゃないかな。そんなことを思ったkero-keroなのでした。

とにもかくにも、本当に賑やかで楽しい3日間でした。彼らと知り合えたことに、また貴重な体験をさせて頂いたことに、心から感謝します!7月には学校でオープンスクールがあるとのこと。また彼らに会いに行きたいなぁ。みんな私のことを覚えているかしら!?いや、そんなことはどうでもいい。彼らがとびきりの笑顔を見せてくれさえすれば

 

松尾家滞在記はまだまだ続きます