I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

手紙

2008年09月03日 | いろんなお話

昔はよく手紙を書いていた。携帯電話が無かった頃は、遠くに住む友人や家族との連絡手段は家の電話か手紙しかなかったからだ。毎日家のポストをのぞいて、その中に自分宛の手紙が入っていると、それがどんなに寒い冬の日でも、私の心はぽかぽかと温かくなった。初めて一人暮らしをした学生時代は特に嬉しかった。家に入って封を切るときのあのドキドキ感。あの感覚はほんとうにたまらない。中身は家族からの励ましの手紙だったり、友人からの近況報告だったり、時には恋人からの切ない内容だったりするのだが、そのどれもから手紙を書いた人の心が伝わってくる。それぞれの筆跡がその人の温かみを帯びて自分に語りかけてくる。捨てさえしなければ後から読み返す度にその時の思い出を蘇らせてくれるのも手紙の魅力の一つだ。そんな宝物のような手紙がうちには山ほどある。

携帯電話が普及し始めてからというもの、ほとんど手紙が来なくなった。それに比例するように、私自身もあまり手紙を書かなくなった。もともと文章を書くのが苦手だった私は、手紙を書くのがあまり得意ではなかったし、自分の字もあまり好きではなかったから、自分から手紙を書く機会もめっきり減ってしまった。自分に余裕が無くてせっかく友人がくれた手紙に返事を書かなかったこともあるし、何度も推敲している間に時間が経ちすぎてしまって、出さなかった手紙もたくさんある。いつの間にか筆不精になってしまった自分がなんだか寂しかった。

でも今は大切な人に感謝の気持ちを伝えたいときはなるべく手紙を書くようにしている。その時に一緒に撮った写真があれば、写真も添えて手紙と一緒に送るようにしている。相変わらず字もあまりきれいではないし、文章もへたくそだったりするのだが、私が昔手紙をもらって嬉しかったように、きっともらった人も喜びを感じてくれるのではないかという期待を込めて、つたない文章でもその時の気持ちが薄れないうちになるべく早く郵便ポストに投函するようにしている。相手の人に自分のありのままの気持ちが少しでも多く伝わるように。

今日も手紙を書いた。相手は屋久島でお世話になったガイドの寺田さん。ちょっと遅くなってしまったけど、出さないよりはずっといい!と自分に言い聞かせて、屋久島で撮った写真と一緒に今日投函しようと思います。

さて、今度は誰に手紙を書こうかな