鬼人谷口から新道に入り、ハイペースで山道を進んで行く我らがT小登山隊。先頭を歩く健脚のTさん&Nさんコンビに負けじと、脇目も振らずに歩いて行くと…
わずか10分弱で西の風穴に到着~ 夏場はこの穴からひんやりとした冷気が漂ってきてとても気持ちがいいのですが、冬場は外気温が低いので、特に何も感じることもなく… 冬場にも関わらず雪はないし、花が咲いている訳でもないし、途中の景色も霧で見えないし、なんだかただひたすら歩くだけの登山になってきました
しか~し そんな中でも発見しましたよ、このお天気ならではの幻想的な風景を。それがこのヤマグルマ(山車)の木。大きな岩にしがみつくようにしっかりと根を張り、前にせり出した枝には光沢のある青々とした葉をたくさんつけ、こんな霧の中でもひと際存在感を放っていました
ヤマグルマはヤマグルマ科ヤマグルマ属の1科1属1種のちょっと珍しい植物で、トリモチが取れることで知られている東アジア特産の被子植物。なぜか岩の露出しがちな尾根など空気の動きのある場所を好むらしく、自ら好んでこんな風に岩にへばりついているようです。敢えてこんな厳しい環境に根を下ろさんでも…なんて思ったりする一方で、ヤマグルマのそのストイックな生き方に感動すら覚えてしまうkero-keroなのでした
新道ではこのように美しく苔が生した岩をあちらこちらで見ることができます。この岩、なんとなくリクガメみたいに見えませんか?
西の風穴から10分ちょっとで、今度は北の風穴に到着~ ここでも特に冷気を感じることはありませんでしが、霧のせいか夏に来たときよりも苔の色が艶やかで美しく感じられました
下界の景色はこの通りなーんにも見えません。でもなんだか雲の上にいるみたいで、天界から人々の生活を垣間みる神様になったような気分です
今回たくさん目についたのはやっぱり苔。ふかふかの苔の毛布をかぶった岩は冬でも暖かそうです。ちょっとピンぼけですが、まあるい水玉がたくさん付いて、とってもきれいでした
さらにこれ。なんと苔がきれいに黄葉して、ぴゅーっと伸びた細~い針金のようなものの先っぽに、小さな水玉がプルプルと揺れているではありませんか ナウシカのラストシーンを彷彿とさせるこのコラボに、思わず目を奪われてしまいました この水玉に包まれた丸い物体は「さく」または「苔の花」と呼ばれる柄の付いた胞子嚢で、その中から胞子が飛び出して原糸体となり、苔本体の芽が出てきて、私たちがよく目にする苔の姿になるのだそうです。視界は悪いし遠くの景色はな~んにも見えないけど、苔を観賞するならこんな霧の深い日がベストかもしれません
いつもながらどこに源流があるんだ?とつっこみたくなる湯江川源流を過ぎて、次に目指すのは平成新山を間近に望む立岩の峰。
が、その前に急な上りが私たちを待ち受けているのです 時刻は11:40を回り、歩き始めてから約2時間が経過したところ。小休憩の度にちょこちょこお菓子を口にしてはいるのですが、徐々にお腹の虫が騒ぎ始める時間となってきました
でもここで立ち止まってはいられません。気合いを入れてもうひと登り頑張りましょう
雲仙霧中登山はまだまだ続きまーす
その3に続く