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させぼ時旅黒島ツアーその2(長崎県佐世保市)

2012年01月09日 | 旅のお話

さて、いよいよ黒島天主堂の目の前にやってきました~ ロマネスク様式の見事な教会堂です

説明板によると、この天主堂は1878年(明治11年)に着任したペルー神父が名切に木造教会堂を建築したのが始まりで、1897年(明治30年)にフランス人のマルマン神父が来島し、このレンガ造教会堂の建築が始まったのだとか。黒島の信徒全員が献金や労働奉仕に参加し、1902年に完成したのだそうです。1998年には国の重要文化財にも指定され、県内の教会堂としては大浦天主堂(国宝)に次いで2例目。現在世界遺産への登録を目指している『長崎の教会群とキリスト教関連遺産』の登録候補にもなっています。

中に入るとその美しさにうっとり どんなに素晴らしい建物でも、人の手が入らなくなった途端に廃れてしまうものですが、この教会は外装も内装も見事なまでに美しく保たれています。現在も熱心な信者さん達によって毎週日曜日にミサが行われ、隅々まできちんと手入れが行き届いている証拠です。

 

左の写真はマルマン神父自らが彫刻を施したと言われる説教台で、右の写真はフランスから取り寄せたと言われるステンドグラス。どちらも当時のまま残されているんですって。

祭壇には黒島で採石された黒島御影石が用いられ、なんとその床には有田焼のタイルが敷き詰められています。不覚にもタイルの写真は撮りそびれてしまいましたが、有田焼のタイルが敷き詰められた祭壇はこの黒島天主堂の他にはないのだとか

 

柱の土台にも黒島御影石が使われており、壁面は下から順にアーケードトリフォリウム(壁付アーチ)クリアストリー(高窓)の3層構造。とっても豪華な造りとなっています

天井には見た目にも美しいリヴ・ヴォールド天井(こうもり天井)が採用されており、全て木材で造られています。下から眺めてもその美しい木目をはっきりと見ることができ、やはり上質の木が使われているんだろうなぁと思いきや、なんとこの木目は全て人の手で描かれたものなのだそうです

扉に使われている木材をよくよく見てみると、確かに元々のまっすぐな木目の上に曲線の木目が描かれています。教会の中では信徒さんでもある地元のガイドさんが説明をしてくださったのですが、その方のお話によると、当時はお金がなくて良い木材を揃えることができなかったため、安価な木材にニスを塗った後、刷毛目(はけめ)という工法を用いてこの美しい木目を描いたのだとか。それだけでもかなりの労力を要したのだそうですが、それほどこの教会が信徒の方々にとって大切な存在であったことが伺えます。

100年以上経っているとは思えない美しい教会堂。これまで様々な教会を見てきましたが、島に残る教会堂で、これほど豪華で、これほど細部まで精巧な細工が施された教会は初めてです。残念ながら島民の数は減少の一途を辿るばかりですが、これからも島のシンボルとして、そして信徒の方々の心の拠り所として、いつまでもこの場所に立ち続けてほしいと願わずにはいられません。

念願の黒島天主堂を後にして、いよいよ島豆腐作りに挑戦です。次回は笑顔がとってもステキな中村ご夫妻のお宅を訪れます

その3へ続く


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