ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

フーゾク

2006-11-11 | こどものこと
その同じ駅から乗ってきた学生らしき若い男女は
どうやら昔の(中学の?)同級生らしかった。

久しぶりに会ったらしく、
上り電車のつり革につかまって
楽しげに友達のうわさ話に花を咲かせていた。

そのすぐ目の前で座っていた私が
ふたりの話に耳を傾けてはじめたのは

風俗店で働いている友達のうわさ話になったから。

あの子も、あの子も、それからあの子も、
フーゾクやってる、って。





なんでも、そのお店の前には
店で働く女の子の写真が並べて貼ってあって、
行って見たら 確かに 同級生の写真があった、とか。

あー、あの子なら わかる、とか。

フツー化粧とかでわからなくなるのに
だれそれは 化粧しても まんまだった、とか。

そんなに
若い娘が 風俗業界に入って行ってるのが 現実なのだろうか。



娘の小学校時代の同級生に
Aちゃんという娘がいる。

我が家からそう遠くない場所の
建売住宅を買って 越してきた。

Aちゃんは 妹たちの面倒をよく見て 家事の手伝いもする
しっかり者の長女だった。

中学に上がる前に
若いお母さんは 三人の女の子を連れて出てゆき、

しばらくは 娘と年賀状だけのやりとり。



その後 
メール交換ができる年齢になって
娘との交流が復活した。

彼女は 昼間は老人施設で働き、
夜間高校に通う勤労学生になっていた。

男の子と同棲生活をしながら
働き、学んでいたらしい。

さすが、しっかり者のAちゃん。



不思議と縁があるらしく、
駅前で偶然
娘と会ったり 私と会ったりしていた。

スリムになって
きれいになったAちゃん。

でも 働きながら高校を卒業するのは大変。

大変だけど 必ず卒業してほしい。

そう思っていた。



夜間高校は 卒業まで4年を要することが多い。

これは 娘から聞いた話で
私は本人には会っていないのだが

Aちゃんは 最後の学年で中退し、
男の子と別れ、
隣の県に引越して 風俗店に勤めた。

その間、悩むこともあったらしく
娘に相談メールが来たりもしていたようだが

Aちゃんは 
お母さんに経済的負担を負わせるつもりが全くなく、
娘は娘で 
そんな場合にどうすればいいのか見当もつかない甘チャンだった。

というか、
私にも うまい方法は見つからない。

何をするにも お金はかかるものだし。

ただ「高校だけは卒業しておきなさい」と口に出すだけなら
無駄にうるさいハエの羽音みたいなものだ。



その後
Aちゃんは 店に来ていた新しい恋人と同棲し、
別れ、
そして 未婚の母になるという。

今頃は もしかしたら身ふたつになっているかもしれない。

少子化の昨今なら
ありがたがるべき話なのかもしれない。

Aちゃんは 絶対 しっかり者の いいお母さんになる娘だし。

だけど 
Aちゃんが幸せになれそうな気にはまだなれない。

幸せになってほしいのだが。

彼女なら 子育てにも喜びを見出して
虐待なんかしないお母さんになるはずだと思っていたのだが。



フーゾクを 責任感と使命感を持って頑張っている人には悪いが
私の中では
フーゾクは必要悪だ。

「必要」の文字も フーゾクそのものも
なければもっといい。

最近の若い娘は(ホラ、年取った証拠!)
割と抵抗を感じずに
フーゾクに入っていく気がする。

そりゃあ、お金が欲しいのはわかるけど。

若い娘なら 
ファッションに使いたいお金だって相当なものだろう、
それもわかる。

けれど 入っていく前に 
もっと乗り越える壁を感じてもいいのではないか。

躊躇せずにすんなり入っていってしまうように思うのは私だけ?

いつの間にか居眠りしていた私が目覚めた後に
若い男女は 都内で電車を降りていった。