今年の夏の人間ドックで
私は軽い胃炎あり、と診断された。
確かに、直前に食欲をなくす(この私が!)ような出来事があった。
娘が夏休みに入って、帰ってこなくなったのだ。
きょうの朝刊に
「柊の 枝を放せば 花こぼれ」
という句が載っていたので
たしかあった、と記憶をたよりに 近所へ探しに出た。
そして柊(ヒイラギ)は 確かに芳香を放ちつつ咲いていた。
(でも、右の鼻の下に擦り傷を作った。)
娘の大学は 確かに遠い(都内)。
真面目に帰宅しても、遅くなる。
アルバイト先は最寄の駅の駅前だが
夕方に始まり、夜遅く終わる。
おまけに 娘は 車の運転が好きで
ガソリン代に悩みながらも
「ちょっと、ドライブ。」と出かけることも多い。
とにかく 運転が好きなようだ。
それで アルバイトの後に
「終電を逃した友達を送ってくる。」と電話を入れて
それっきり帰ってこなかったり。
そんなことを繰り返して私たちを悩ませていた。
そのうち、娘は家に帰ってこなくなり、
いつもイライラしていた亭主は
気も狂わんばかり。
やいの、やいのと 私に電話を入れさせる。
何事につけ、私は亭主よりも 慣れるのが早い。
(たとえば
家の中がとり散らかっていても
間もなく その状況に慣れてしまう。)
娘の事を 始めのうちは親らしく心配していたが
そのうち 慣れてしまった。
というか、開き直った。
娘の人生は、娘のもの。
二十歳を過ぎたら 門限はナシ、と決めていた。
(私だけが、ココロに。)
ところが 娘の外泊が長くなり、
そのうち 電話に出なくなった。
着信拒否されたのだ。
連日の亭主の
「お前は心配じゃないのか?!」
がストレスになっていた私は
食欲を失っていった。
(でも、ちゃんと食べてはいた。)
ただ 無断外泊は論外だし
第一 電話も通じない、
メールもそのうち 通じなくなってしまった。
こんなに何日も家に帰ってこなくて、どうやって食べているのか。
いくらアルバイトで稼いでいるとは言え、
新しいキャミソールも買って
新しいミュールも買って
家で食べないということは よそで食べているということ。
そのお金は どうしているのか?
そんな時に 私の脳裏をよぎったもの、
それが 「フーゾク」だった。
娘の安物ピアス。 ハデハデ。
いいなあ、私もこんなピアスをして 街を歩きたいなあ。
まだ穴はあけてないけど。
そういえばメイクも派手。
目の周りが真っ黒だ。
付け爪も派手、付け髪までしている。
Aちゃんがフーゾクで働いていたから 自分もいいと思ったか。
Mさんが働く、と言ったから 一緒にやろうよ、となったのか。
あの娘もフーゾクで働いているのではないか。
そう思ったら いっぺんで胃がおかしくなった。
普段、滅多なことでは食欲はなくならないし
食欲がなくても食べられちゃうし
まして 胃炎なんてありえない私だった。
その、一番具合の悪い日の翌日が 人間ドックだった。
軽い胃炎、ああ、やっぱりね、と納得。
ポリープがあるから 切除しました、と医師。
去年の先生は 心配ない、と切らなかったのに。
そして 終わった後も気分が悪く、
今にも吐きそう、な感じが続いた。
というか、最後には吐いた。
こんな胃カメラ、初めてだ!(3回目の胃カメラだけど)
つづく
私は軽い胃炎あり、と診断された。
確かに、直前に食欲をなくす(この私が!)ような出来事があった。
娘が夏休みに入って、帰ってこなくなったのだ。
きょうの朝刊に
「柊の 枝を放せば 花こぼれ」
という句が載っていたので
たしかあった、と記憶をたよりに 近所へ探しに出た。
そして柊(ヒイラギ)は 確かに芳香を放ちつつ咲いていた。
(でも、右の鼻の下に擦り傷を作った。)
娘の大学は 確かに遠い(都内)。
真面目に帰宅しても、遅くなる。
アルバイト先は最寄の駅の駅前だが
夕方に始まり、夜遅く終わる。
おまけに 娘は 車の運転が好きで
ガソリン代に悩みながらも
「ちょっと、ドライブ。」と出かけることも多い。
とにかく 運転が好きなようだ。
それで アルバイトの後に
「終電を逃した友達を送ってくる。」と電話を入れて
それっきり帰ってこなかったり。
そんなことを繰り返して私たちを悩ませていた。
そのうち、娘は家に帰ってこなくなり、
いつもイライラしていた亭主は
気も狂わんばかり。
やいの、やいのと 私に電話を入れさせる。
何事につけ、私は亭主よりも 慣れるのが早い。
(たとえば
家の中がとり散らかっていても
間もなく その状況に慣れてしまう。)
娘の事を 始めのうちは親らしく心配していたが
そのうち 慣れてしまった。
というか、開き直った。
娘の人生は、娘のもの。
二十歳を過ぎたら 門限はナシ、と決めていた。
(私だけが、ココロに。)
ところが 娘の外泊が長くなり、
そのうち 電話に出なくなった。
着信拒否されたのだ。
連日の亭主の
「お前は心配じゃないのか?!」
がストレスになっていた私は
食欲を失っていった。
(でも、ちゃんと食べてはいた。)
ただ 無断外泊は論外だし
第一 電話も通じない、
メールもそのうち 通じなくなってしまった。
こんなに何日も家に帰ってこなくて、どうやって食べているのか。
いくらアルバイトで稼いでいるとは言え、
新しいキャミソールも買って
新しいミュールも買って
家で食べないということは よそで食べているということ。
そのお金は どうしているのか?
そんな時に 私の脳裏をよぎったもの、
それが 「フーゾク」だった。
娘の安物ピアス。 ハデハデ。
いいなあ、私もこんなピアスをして 街を歩きたいなあ。
まだ穴はあけてないけど。
そういえばメイクも派手。
目の周りが真っ黒だ。
付け爪も派手、付け髪までしている。
Aちゃんがフーゾクで働いていたから 自分もいいと思ったか。
Mさんが働く、と言ったから 一緒にやろうよ、となったのか。
あの娘もフーゾクで働いているのではないか。
そう思ったら いっぺんで胃がおかしくなった。
普段、滅多なことでは食欲はなくならないし
食欲がなくても食べられちゃうし
まして 胃炎なんてありえない私だった。
その、一番具合の悪い日の翌日が 人間ドックだった。
軽い胃炎、ああ、やっぱりね、と納得。
ポリープがあるから 切除しました、と医師。
去年の先生は 心配ない、と切らなかったのに。
そして 終わった後も気分が悪く、
今にも吐きそう、な感じが続いた。
というか、最後には吐いた。
こんな胃カメラ、初めてだ!(3回目の胃カメラだけど)
つづく