いわゆる国家公務員は、国に採用された職員で、この職員だけでも政治は実行可能です。しかし、国家公務員だけで長年政治をやっていると人々と遊離し、職員のため、しかも特定の職員のための政治になる恐れがあります。その点、人々に選ばれた政治家は人々を代弁するので国家公務員だけの政治を人々のためになる政治に修正することが可能です。これが民主主義政治の特長だと思います。
ところがこの政治家が自分は権力者と考えると、政治が政治家のための政治になり、政治家が特権階級化します。政治家が党を組んだり、派閥を形成したりして権力を争うのは政治家本来の使命である人々のためになる政治を行うという目的を忘れたからだと思います。
民主主義国における政治家とは、言ってみれば人々を代弁する公務員です。党を組み、派閥を形成し、権力を争うような政治家は真の政治家ではないと思います。
中国の政治を担当しているのは共産主義者からなる国家公務員です。人々が選んだ政治家が政府の幹部を構成することはありません。したがって中国政府は人々から遊離した共産党員のための政治を行う恐れがあります。共産党員の会議があったとしても人々を代弁する会議にはならないでしょう。共産党会議があるからと言って民主主義とは言いません。
アメリカは、共和党と民主党に政治家が分れ、人々は政党を選ぶ形になっています。政党が争う形になり、権力争いの性格が強くなります。人々が政治家を選んでいるのですが、人々が政党争いを肯定しているので選挙に勝った政党は権力党になり、民主主義らしくなくなってしまいます。未熟な民主主義と呼んでいいと思います。