豊富な鉱物資源で順調な経済成長をとげてきたと思うが、最近、自動車燃料が高騰し、これがきっかけとなり都市部で人々が大規模なデモを続け、警察がデモを鎮圧しようとしたので人々の怒りが爆発したようで暴徒化しました。政府は燃料価格に上限を設けるなどの規制を発表したが、常日頃の政治に対する不満が噴き出ているようで怒りはおさまらず、暴動を続けています。治安部隊まで出動し、銃撃を始めたため、人々の怒りはさらに増し、破壊活動も激しくなってしまいました。
カザフスタンの特長はとカザフサタン人に聞くと、戦争がないという答えが返ってきていましたが、突然の暴動に驚きを感じます。
近年の脱炭素の動き、新型コロナウイルスによる経済不調などで将来を不安視した政府が、政策を誤り、自動車燃料の高騰に対する対策を誤ったのかもしれません。自動車燃料だけでなく、カザフスタンの都市部は、土建景気が終わり、地方から集まった労働者が仕事を失い、行き場がなく、極端なエネルギー多消費型社会で人々の生活が苦しくなり、従来の政治では対応できなくなっていたのではないでしょうか。
トカエフ大統領は内閣を総辞職させ、数十年に渡って権力を振るってきたナザルバエフ国家安全保障会議議長(前大統領)を解任し、さらに自国の治安部隊では、政府や軍の施設を守れないと判断し、ロシアが主導する集団安全保障条約機構(アルメニア、カザフスタン、タジキスタン、ベラルーシ、ロシアで構成)に暴動の鎮圧を要請しました。2500人規模の外国人部隊(実質ロシア軍人)が派遣され、暴徒に占拠された施設の奪回を始めました。暴動がおさまればすぐ撤収するそうです。暴徒は射殺してもいいという恐ろしい命令が出たので暴徒は散り、暴動は静まったようです。
ナザルバエフ前大統領はお金を湯水のように使って夢のような首都などの都市をつくってきました。経済が順調な時はよかったが、現在の経済の変調を受け、彼の専制的政治も色褪せたのでしょう。人々の評価は一転批判非難になってしまいました。
都市部の人々は、自身、消費型生活になっていると思います。未来に備えて価値観を変えることができるか試練の時を迎えていると思います。
本来、カザフスタン人は人間関係を重んじる文化を持っており、突然訪問してもテーブルいっぱいの料理でもてなす習慣があるそうです。政府は乱暴な鎮圧をやめ、人々は暴動をやめ、平和に戻ってほしいものです。イスラム過激派が策動したとの説があります。人々は冷静になってほしいものです。
カザフスタン民主化は重要な課題と思います。権力者政治家による虚栄追求の急速な経済発展は危険です。安定した発展が望ましいと思います。また法が作動する汚職なき政府づくりが鍵です。資本主義に食われるような経済発展はカザフスタン人には毒です。