1月15日(火) 午前10時 JR船橋駅
総武快速線が動いていない。
駅員、消防隊員が階段を駆け上がる。
各駅線ホームに移動。
下り快速ホームに特急電車が停まっていた。
周囲の話ぶりで、飛び込み自殺のようだ。
総武線が来たので乗車した。
真相は不明のまま。
私は飛び込み自殺を目の前で遭遇したことがある。
思い出したくない記憶だ。
25年以上前のことだ。
昼前
自宅を出て駅に向かった。
各駅しか停まらない私鉄の小さな駅。
踏み切りを渡って駅改札に行くのだが
丁度、電車が来たので遮断機が下りた。
遮断機の前に小太りの30歳代女性が立っていたが
体が左右に揺れておかしな動きだった。
ホームで待っていたが、小さな幼児を連れたお母さんと
そのふらつく女性と私だけがいた。
ホーム下り車線はカーブをしていて
前方100メートル程先は電車が進行して来るのは見えない。
急行通過電車が進行して視界に入った。
その時、通過電車が大きな警笛を鳴らし続けた。
私の横にいた女性が視界から消えた。
電車が凄まじい警音を発しながら通り過ぎる。
ホーム端を出たところで後部車両は停止した。
幼児を抱えたお母さんは、狂ったような叫びをあげ
幼児に覆いかぶさったまま倒れこんだ。
時間が止まった。
泣き叫ぶ声だけが人気の無いホームに響いた。
車掌が電車を降りて、車線枕木の上を駆けてくる。
ホームの下を一瞬見た。
直ぐに駅を出てJR駅に徒歩で向かった。
翌日、同時刻に駅員が生花とワインを持って立っていた。
急行電車が通過すると、飛び込んだ場所から
ワインを振りかけた。
黙祷した。
その後、自殺された女性が駅前の本屋の娘さんであり
私と同じマンションに住み、子供が生まれたばかりで
育児ノイローゼだったと聞いた。
その事故から数ヶ月間、私は食欲不振になった。
又10年以上前、私の恩人が夜8時過ぎ
中央線新宿駅で混雑するホームで押されて
線路に転落した。
幸い、電車とホームの壁に挟まれ
命は助かったが、足腰骨折全治3ヶ月の重傷。
目撃証言もあり、自殺でも酔いでもないことが判明して
損害賠償もなかった。
去年10月には総武快速車内で痴漢行為も目撃
人生、数秒先のことも予測できない。
だからといって、引き篭もっていることもできない。
大過なく長生きするって大変なことだ。