島嶼的な鳥たち

2011-06-17 23:00:20 | 鳥(Birds)


アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)&ツバメ(H.s.gutturalis) Barn Swallow


この日の定期船が島に着くと、2年前に同じこの島でお会いしたarumさんと2年ぶりの再会を果たすことが出来た。
積もる話に花を咲かせながら鳥を見て歩き、一人ぼっちだった私はすぐに楽しい気分になった。
島での昼食はいつも自分で持ち込んだビスケットかパンの私だが、この日に限ってはなんとarumさんが私の分まで昼ご飯を持ってきて下さった。
池の横にあるベンチに腰掛けてお昼を食べていると、2羽のハヤブサが鳴きなら上空を通過して行くのが見えた。
また、池の周囲には昨日まで居なかったツバメ達がとびまわっていて、その中に体下面が赤褐色味を帯びた数羽のアカハラツバメがいた。アカハラツバメといってもエジプトの亜種(H.r.savignii)などの方がずっと腹の赤みが強いから、こちらH.r.saturata はチャバラツバメなんて呼んだ方が相応しいのかもしれない。




シベリアアオジ(Emberiza spodocephala spodocephala) Black-faced Bunting


今春の島はシベリアアオジが本当に多くて、亜種アオジの方がずっと少なく感じた。さらにこの日は特にムジセッカも多くて、島のあちらこちらで少なくとも3羽は見ることになった。
島の中心部、僅かにある広葉樹林の横を通りかかると、「シシシシ.....」という尻上がりのヤブサメの声が聞こえた。それから、海岸沿いに点在する松林の中ではコルリの雄がだまって姿を見せた。




タイワンハクセキレイ(Motacilla alba ocularis) White Wagtail


2羽のタイワンハクセキレイは、亜種ハクセキレイに混ざって海岸を歩いていた。
この通称タヒバリ海岸には、なるほど名前の通りタヒバリがいる。海岸から望む沖にはガリガリに痩せたオナガガモの雌が浮かんでいたけれど、あまりにも痩せ細って見たことも無い形態を呈していたものだから困惑してしまった。
arumさんはこの日の第2便で帰られて、私は島に残った。しかし、次の日にarumさんからアカアシチョウゲンボウの雄成鳥を至近距離で見たという連絡を頂いた時には、この日の便で私も戻れば良かったと何度も後悔することになるのだった。

島嶼的な鳥と言えば最近、亜種シマハヤブサが東京都のレッドリストで絶滅判定された。そうは言っても私の生まれた頃には既に絶滅したかもしれないと言われていたわけだけれど、それでもやはりもうどうやっても見られないというのは何だか悔しい。



【2011/05/03/石川 Hegura Island,Japan/May.2011】