バーダーの“夢”

2012-02-09 22:00:14 | 鳥(Birds)


ウチヤマセンニュウ(Locustella pleskei) Styan's Grasshopper Warbler



昨日あたりから、巷で騒がれているニュース。
世界中の鳥好きが驚嘆したであろう、この「オガサワラヒメミズナギドリ(Puffinus bryani)再発見」の報道に、私もまた、とても胸が熱くなりました。
2005年に再発見されたアメリカハジロキツツキ(Campephilus principalis principalis)のニュースでも相当心が躍りましたが、今回は日本の鳥ということで、より嬉しい出来事です。


2011年8月、アメリカのクーパー鳥学会から出ている機関紙「The Condor」に、 Pyle et al. によるこんな論文が載りました。
A new species of shearwater (Puffinus) recorded from Midway Atoll, Northwestern Hawaiian Islands.
URL↓
http://www.birdpop.org/shearwaters.htm

ページ下、「here」から論文の全文が読めます(おそらく Adobe Reader がインストールされていることが必要)。

内容は、1963年にミッドウェー諸島で収集されてヒメミズナギドリと同定されていた標本をDNA分析に供した結果、別種だった。これを新種 Bryan’s Shearwater として提唱する、というもの。

この発表を受けて、日本の研究チームが小笠原で採集されたヒメミズナギドリ標本をDNA分析に供したところ、まさに Bryan’s だった、ということですね。


私は、このニュースを聞いた日のうちに、本棚にあった日本の鳥550水辺の鳥や、海鳥識別ハンドブック(ヒメナギ図版モデルは小笠原の個体)などの、ヒメミズナギドリの頁の種名を書き換えました。
繁殖地が判明して、保護される日が来ることを祈りるばかりです。「見に行ける」日がくることも。

鳥を見る人の端くれとしての “夢” はやはり、
1.新種発見
2.絶滅種再発見
3.国内初記録種の発見
でしょう。生涯の中で、3番ぐらいは達成したいものだなと、つい妄想してしまいます。

ヒントは、「噂」、「伝説」、「幻」の中にあり。
こういうことを考えると、ドキドキしますね。



【2009/05/07/三宅島 Miyake Island, Japan/May 2009】