オニキンメ(Anoplogastridae cornuta) Fangtooth
まさかこのような類の魚に触れる機会が訪れようとは。
図鑑でしか見たことのなかった深海の怪魚たちが目の前にあり、しかもそれらは長年ホルマリン漬けにされて体色の褪せたものなどではない。黒々した深海魚たちは曳き網による傷はあるものの、全て真新しいものばかりだったのである。
このオニキンメは、深海魚好きなら図鑑など見ずとも一目瞭然なほどに特徴のある魚。この個体は体長15cmほどだけれど、立派な成魚と言える。
体に比べてひどくアンバランスな頭部は硬い鎧に覆われ、大きく裂けた口からは凶悪に鋭い牙が覗いている。餌の少ない深海では、獲物に出遭った際に少しでも牙が大きい方が有利であり、とりあえず相手を串刺しにした方が勝ちなのだ。
あまりに大きな牙ゆえに、私も、そしてこの魚も(構造上)開いた口が塞がらなかった。
水圧の関係で反転した消化管の壁面はまるで深海の暗闇ように黒い。これは発光器を持つ獲物を胃袋に収めた際に、外敵から胃内の獲物が発する光を見られないようにするための工夫である。
【2011/01/14/小笠原諸島近海産 from Ogasawara ocean area,Japan】
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