ツリスガラ(Remiz pendulinus) Penduline Tit
やがて雨が上がると、一緒に雨宿りをしていたジョウビタキはいつの間にかどこかへ姿を消していた。
葦原の中を通る道を歩き出した私は、しばらくしてすぐに歩みを止め、耳をそばだてて辺りの様子をうかがった。
私の歩く木道の両サイドはちょうど人を隠すぐらいの高さの葦の壁なのだけれど、さっきからその壁の中でパチパチという音とともに沢山の気配がしているのだ。しかし、目をこらせど少しも姿は見えない。
何だろう、気になって仕方がない。
こうなったら姿を見せてくれるまで待とう。私は微動だにしないよう気をつけながら、その場で待つことにした。
そして数分後、殺風景な芦原が驚くべき光景に一転する。
5羽、10羽、いやどんどん増えて最終的には20羽くらいだろうか。気配の絶えなかったあたりの葦原からなんとツリスガラ達が湧き上がるように集まって来たのだ。
彼らはただ採餌しながら通過したのではない。何だコイツはと、私という生物を観察しに集まっている風だった。いわゆるマンウオッツチングなのだろう。
可愛いツリスガラ達に包囲され、緩みきった顔のまま固まっていた私は、うっかりしたことに少しだけ動いてしまった。
すると「ハイ、解散~」と言わんばかりに、ツリスガラ達はあっという間に1羽残らず葦原の奥へ戻っていき、やがて見えなくなってしまった。
【Nagasaki, Japan(長崎)/13th Jan. 2013】
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