ダナンの庭の鳥と花

2013-07-15 21:21:57 | 鳥(Birds)


シラガシキチョウ(Copsychus stricklandii stricklandii) White-Crowned Shama


ダナンバレーを発つ日の朝。今日も朝から雨降りである。
この朝はロッジ勤務のスタッフ達の居住区を歩いて林縁の鳥を探すことにした。
エンビシキチョウ、ルリノドハチクイ、コゲチャキンパラ、そして夜の間虫が集まっていた外灯の下でムナフムシクイチメドリを見た後、ロッジへ引き返した。
声真似の上手いシラガシキチョウには何度も騙されたけれど、音節の終わりの部分の乱れや声質から、もうすぐにコイツだとわかるようになった。今日も大きな声で鳴いている。

ロッジの川側にはちょっとした広場があって、草原がある。ピッシングをしながら歩くと、コゲチャキンパラ、メグロヒヨドリ、アオハウチワドリが様子を伺いに草から出てきた。




ムナオビオウギビタキ(Rhipidura javanica longicauda) Pied Fantail


オウギビタキの仲間は皆その動きが可愛らしい。名前の通り長い尾羽を扇のように広げてゆっくりフリックするのがくせで、おかげで実際の大きさよりも大きく見える。

ボルネオクモカリドリがシンポーウングの花に来たのを見ていると、ロッジのエントランスのあたりから「ヒュー、ニュー」という独特な声がしたのが聞こえた。
血相を変えた私が走っていくと、そのあたりにたむろしていたガイド達に「これは人が声真似しているんじゃないかな」と言われた。重ねて、「こんな場所にアイツが来たことなんてないよ」と。
それでも諦めきれない私は、樹冠に双眼鏡を向けて探し続ける。
「ヒュー、ニュー!ヒュー、ニュー!」鳴き声がやがて確かな臨場感を持って、それが人の声真似ではないことが皆分かるほどになった頃、私の双眼鏡の視界に頭部の赤い、ずんぐりした鳥が飛び込んできた。そう、ボルネオ固有種の鳥、ブタゲモズだ。
複数羽のブタゲモズは独特の鳴き声とともに私達の頭上の樹冠をあっというまに通過していった。
辺りに居たガイド達とハイタッチをしていると、今度は数羽のガマヒロハシが通りかかる。なんて楽しい森なんだ。





今回、1人でこのダナンを訪れた私だが、レストランで食事をしていると皆「Koh, 今日の成果はどうだった?」とか「一緒に食事しないかい?」とか声をかけてきてくれて、ぼっちな気分はすぐに紛れた。

ロッジを発つ時。中でも特に仲良くなったスウェーデン人のフォトグラファーに別れの挨拶をした私は、ラハダトゥ空港まで送ってくれるジープへと乗り込んだ。
この1週間の濃い鳥見を思い出しているうちにいつの間にか眠っていた私は、「オランウータンがいたよ」と運転手に起こされる。実は初見のオランウータンをしばし見た後、また車に乗り込む私。車が発進して、未だ眠気を振りほどけないまま半分開いた目を路肩に向けていた私は、次の瞬間、突然大声で叫んだ。「Fooded Pitta!!」 なんと走行する車の目の前、肉眼でも分かるほどの近さをズグロヤイロチョウが飛んで横切ったのだ。今まで眠そうにしていた私がいきなり騒ぎ出したので運転手や同乗者をさぞ驚かせてしまったことだろう。しかし最後の最後にズグロヤイロチョウが見られるなんて...一番驚いていたのは私だった。




シンポーウング(Dillenia excelsa





ツノマタタケ(Guepinia spathularia







【Danum Valley, Borneo, Malaysia(ボルネオ,マレーシア)/3rd Jan. 2013】


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