オーストラリアマルハシ(Pomatostomus temporalis temporalis) Grey-crowned Babbler
所変わって、ここはまたオオカンガルーの居る平原。
先程のキャンプ場で降り出した雨は私達の移動と共に一時止み、また曇天に戻った。
そろそろ夕方になる頃で、オーストラリアマルハシ達はねぐらにする枝に5羽で身を寄せ合って集い、何やら話し込んでいる様子。
レンジャクバト(Ocyphaps lophotes lophotes) Crested Pigeon
ここのレンジャクバトとオーストラリアチョウショウバト、ツチスドリはいつも一緒に平原を歩いて餌を探している。
しばらくすると強い風と共に湿った空気があたりに立ち込め、雲り空はより暗さを増してきた。「もうすぐ雨が来るぞ」と言わんばかりに急いで飛んで行くアオツラミツスイやゴシキセイガイインコを見て、採餌していたレンジャクバト達もすぐに飛び立っていった。
オオカンガルー(Macropus giganteus) Eastern grey Kangaroo
誰かの飼い犬が好奇心でオオカンガルーを追いかけて散らし、平原に何者の姿も無くなった頃、分厚い雲が渦巻く空からまた大粒の雨が降り出した。
コクチョウ(Cygnus atratus atratus) Black Swan
土砂降りの雨の中、次に私達はミッチェル湖(Lake Mitchell)へと向かった。
湖面には、雨に打たれながらも静かにコクチョウが浮かんでいた。日本で見られる籠抜けなどではなく、広大な湖を悠々と進む野生のコクチョウが。カーリィな羽がなんともエレガントである。
モリショウビンが湖岸の木から飛び出したと思ったら、今度は小さなアオマメガンの雄雌が飛んで来て近くの湖面に着水した。
また湖岸の草むらでセアカオーストラリアムシクイの雄が動き回っているのを目で追っていたら、いつの間にかタイワンセッカに入れ替わっていた。
ふと空を見上げると、白黒の体に赤い脚の巨大なセイタカコウがゆっくりとした羽ばたきで飛んで行くところだった。
カササギガン(Anseranas semipalmata) Magpie Goose
湖を後にして、沿岸部への帰り道。
車の上空を隊列をなしたカササギガンが通りかかった。その群れはみるみるうちに湿地に吸い込まれていっため、車を降りて見に行くことにした。
結局のところ、その湿地は林に阻まれてほとんど見えなかったのだけれど、相当数のカササギガンが居る模様。
すると1羽のカササギガンが、林を挟んでこちら側の草原に降り立った。そこには数羽の家禽のインドクジャクが放し飼いにされていて、カササギガンはそのインドクジャクの中に混ざっていた。しばらくしてインドクジャクが自分の仲間とは少し違うことに気付いたこのカササギガンは、また飛び立って湿地の方へ向かうのだった。
1属1種からなるカササギガンは、ガンともカモとも少し違った存在にあたる。
【2010/03/10/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】