12月だというのにナヨクサフジの花が咲いていた
近頃頻繁に見かけるヨーロッパ原産の帰化植物で、大分市内の荒地で大群生を見つけた事がある
もともと牧草などの用途で持ち込まれたものが栽培逸出したもので、本来帰化植物とは言えないのかもしれない
移動の途中で撮影したパンパシフィックカッパー 佐賀関製錬所
1916年、煙害防止のため建設された煙突は、高さ167.6mで完成当時世界一の高さを誇ったが、2013年老朽化の為解体された
現在残る煙突は、1972年に完成した高さ約200mの第二煙突
ナヨクサフジは越年草で、マイナス20℃まで耐寒性があり、北海道以外での越冬が可能
シアナミドを含み、アレロパシーが強く、レンゲソウよりも雑草抑制力が高い為、休耕田管理に利用され始めている
果樹園管理にも適しているようで、今回撮影したものも果樹園近くに逸出していたものである
シアナミドが植物から発見されたのは、ナヨクサフジが初めてで、それまで自然界に存在する事は知られていなかった
引用)
ヘアリーベッチに含まれる植物生長阻害物質シアナミドの発見
アレロパシー研究の推進による雑草学への貢献
以前平戸島でナヨクサフジを見かけた事があったが、このようにアレロパシーの強い植物が平戸島の草原に侵入した場合、希少植物を駆逐してしまう事もありうるのではないのかと心配したものだ
ナヨクサフジは、環境省が定める生態系被害防止外来種リストの産業管理外来種に指定されていて、生態系への被害が懸念されている
産業利用において適切な管理が求められているが、残念な事に頻繁に逸出しているのを見かける
平戸島のように、自然度が高く希少性の高い植物が多く生息する地域においては、管理を徹底して欲しいものだ
アレロパシーというと、真っ先に思い浮かぶのはセイタカアワダチソウなのだが、実際はそれほど強いアレロパシーを有するものではないようだ
方々で大繁殖しているのは、根茎で密に繁殖し、他の植物がなかなか侵入できない事が主要因であるようだ
しかし、他の植物を駆逐してしまうのは事実で、何度も述べるようだが、ノヒメユリの大群生地を壊滅させたのは印象深い出来事であった
希少植物が多く自生する草地に侵入したセイタカアワダチソウ
12月25日 現地を再訪してみると、ナヨクサフジはすっかり刈り取られていたが、麓の小さなどぶ川で花を咲かせているのを見つけた
わずかな紅葉を楽しんで、小さな森の小道を下っていると、ヤブコウジやツルコウジ、サネカズラの実がなっていた
果樹園では、かんきつ類がたくさんの実をつけ、収穫の時期を迎えているようであった
途中展望が開ける場所では、雪化粧の由布、鶴見山系が見えた
また地獄谷に行ってみようか
学名:Vicia villosa Roth subsp. varia (Host) Corb.
和名:ナヨクサフジ(弱草藤)
マメ科 ソラマメ属
撮影 2022年12月 大分県
葉軸や葉身に毛があるが、ビロードクサフジ程多くない
初版 2016年06月27日
記事アップロード 2022年12月27日
画像アップロード 2022年12月14日 2022年12月25日