花追い放浪記

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ミチノクフクジュソウ コウの花図鑑

2022-02-08 | コウの花図鑑

2月に見つけた野草の花(大分県)

 

ミチノクフクジュソウ(陸奥福寿草)

 Adonis multiflora Nishikawa et Koji Ito

 

キンポウゲ科  フクジュソウ属
花 期 : 2~5月
生育地 : 田畑、山地、樹林帯、林縁、草原
分 布 : 本州~九州
RL指定 : なし

 

竹田市の神社にフクジュソウを観察に出かけた

ここに自生するものが、フクジュソウなのかミチノクフクジュソウであるのかを確認したかったのだ

撮影:2017.3.17

 

フクジュソウとミチノクフクジュソウの区別点は以下の通り

1)フクジュソウの萼片は花弁とほぼ同長だが、ミチノクフクジュソウの萼片は花弁に比べ短い

2)フクジュソウの花茎は中実だが、ミチノクフクジュソウの花茎は中空

3)フクジュソウの染色体数は 2n=32の4倍体だが、ミチノクフクジュソウは2n=16の2倍体(3倍体は雑種)

撮影 2022.2.4

 

花茎を切断して断面を確認する訳にもいかず、染色体を調査する事もできない

よって、萼片の長さだけを確認した訳だが、花弁より相当短い

この事だけでミチノクフクジュソウだと判断するのは短絡的だが、他に判断できる材料がない

しかたがないので、ミチノクフクジュソウだという事で整理した

だが、染色体を調査すると、実は3倍体(フクジュカイ)だったなんて事もあり得るのである

ちなみに、九州の一部地域にはシコクフクジュソウ(2n=16)が自生しているようだ

撮影 2022.2.4

 

ミチノクフクジュソウは草丈10~30cm程のキンポウゲ科多年草

葉は3~4回羽状複葉で、フクジュソウと同様背軸面にわずかに毛が生える

フクジュソウの萼片が花弁とほぼ同長なのに対し、ミチノクフクジュソウは花弁の1/2~2/3の長さ

茎に付く花の数については、参照資料により異なり、1個であったり、複数であったりとまちまち

花径は3~4cmで、開花時の草丈は非常に低いが、その後葉を広げ草丈が伸びる

フクジュソウの開花は傾光性だと思っていたが、実際は傾熱性で暗黒下でも15~20℃で開花するそうだ

撮影:2017.3.17

 

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