2020年8月6日に投稿した、「阿蘇方面で花散策の続き」の記事の中で、タカトウダイとした植物に関して、アソタイゲキではないのか? との思いもあり、ちょっと調べてみました
ネットの情報の中には、アソタイゲキはタカトウダイと比べ、茎の分岐が少ない事が区別点だとする記述が見られるが、日本産のタカトウダイはEuphorbia pekinensis Rupr(広義のタカトウダイ 中国産、朝鮮半島産を含む)と比べ、分岐が少なく、この点でアソタイゲキとの区別はできないと思われます
植物研究雑誌の論文を引用してみると
①アソタイゲキはタカトウダイより花期が早い
②アソタイゲキはタカトウダイより、草丈が低い
③アソタイゲキの果実の突起は円錐形である
という事が、区別点と記載されている
私が撮影した以下の画像は、すでに果実となっている個体なので、花期がいつであったのかは知る事ができない
また、草丈も測定しなかったので、比較できない
では、果実のイボ状突起を比較してみよう
ネットでは、タカトウダイの果実の鮮明な画像が得られなかったので、植物研究雑誌のイラストを参考にしてみた
以下、植物研究雑誌より引用
下は、私が撮影した画像から、種子部分を等倍切り出しした画像
(解像度の高い機器で撮影していると、こんな時非常に有用である)
なんか微妙ではあるが、イラストと比較すると、アソタイゲキに近いような気がする
果実の大きさとイボ状突起の大きさの比率を見ると、アソタイゲキの方が大きいし、形状がより細長い印象がある
左)アソタイゲキのイラスト 右)私が撮影した画像
以下、植物研究雑誌の内容を一部転記
熊本県阿蘇山および人吉地方には,E.pekinensisと花部,果実および種子の形態的特徴が同じ植物が生育している.
しかし,この植物は,茎は常に有毛で分枝しかないか,分枝しても側枝が主茎よりも高く伸びたり花序をつけたりすることがない点で,中国や朝鮮のものとは異なる.
分布的にも隔離しているので, この植物をE.pekinensisの亜種と考え,E. pekinensis subsp. asoensis T. Kurosawa et H. Ohashiと命名して,記載した.和名をアソタイゲキとする.
阿蘇山では,アソタイゲキとタカトウダイが隣接して生育するところもあるが,アソタイゲキはタカトウダイに比べて花期がより早いこと,丈がより低いこと,および果実の突起が円錐形であることにより,容易に区別ができる.
論文では、アソタイゲキとタカトウダイの区別は容易との記述ではあるが、私的にはスッキリしない
2020年8月10日 追記
タカトウダイの果実のイボ状突起について、植物研究雑誌のイラストでは、やはりピントこないので、倉木山まで出向き、実際に撮影してきた
上の画像が、阿蘇で撮影した個体
下の画像が、倉木山で撮影したタカトウダイの果実
アソタイゲキのイボ状突起は円錐形、タカトウダイのイボ状突起は半球形とされている
言われてみると、微妙だが阿蘇で撮影したものは、倉木山のものに比べて円錐形に見えなくもない
アソタイゲキのイボ状突起の実際の写真を見れば、わかりやすいと思うのですが、ネットにはありませんでした
まぁ~ 今回阿蘇で撮影したものは、希望的観測も含めてアソタイゲキとして整理しようと思います
今回の考察は素人判断ですので、あまり参考にしないでくださいね(^o^)