7月に見つけた野草の花
ミヤマトベラ(深山扉木)
Euchresta japonica Hook.f. ex Maxim.
花 期 : 6~7月
生育地 : 暗い常緑樹林下
分 布 : 本州(関東)~九州
RL指定 : 大分県絶滅危惧Ⅱ類
撮影 7月 佐賀県、大分県
ミヤマトベラは、茨城県以西の太平洋岸の限られた地域に分布し、各地で絶滅が危惧されている
4種からなるマメ科ミヤマトベラ属で、マメ科の植物の中では進化的な植物だと考えられている
近年の研究によりミヤマトベラ属は、クララ属、イヌエンジュ属、センダイハギ連に近縁である事がわかっている
ミヤマトベラは集団同調的に開花する傾向あり、結実率はおよそ10%と少ないが、発芽率は80%以上と高い
ミヤマトベラの総状花序は、下から順次開花し、1花は3~4日でしおれるようだ
ミヤマトベラのようなマメ科植物の子葉は、地上、地下を問わず貯蔵器官の機能だけだと考えられている
双子葉植物のほとんどは、無胚乳種子で、子葉に栄養を貯蔵している
種により、子葉の役割は違っており、双子葉の地下子葉性植物の子葉は、栄養を送るだけの役割で、光合成は行わない
双子葉の地上子葉性植物の中には、光合成を行い栄養を供給するものもある
単子葉植物は、ほとんどが有胚乳種子で、子葉は胚盤で胚乳の栄養を吸収して地上に送る役割を担っている
引用)
・東京大学千葉演習林におけるミヤマトベラの個体群構造と開花フェノロジー
・Embryological Studies in Euchresta japonica (Leguminosae) :Hiroyoshi OHASHI, Kazue T ANAKA and Tomoyuki NEMOTO
初版 2012年7月17日
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