10月に見つけた野草の花
オオバヤドリギ(大葉寄生木)
Taxillus yadoriki (Siebold ex Maxim.) Danser
オオバヤドリギ科 オオバヤドリギ属
花 期 : 9~11月
生育地 : 常緑樹、落葉樹、針葉樹の樹上
分 布 : 関東以西
RL指定 : なし
撮影 10月 長崎県
オオバヤドリギは多様な針葉樹、常緑樹、落葉樹に寄生する低木で、自ら光合成をおこなうが、水分や無機養分は宿主に依存する半寄生植物である
オオバヤドリギの蒸散速度は宿主よりも顕著に高く、これにより葉の水ポテンシャルが低下し、宿主からオオバヤドリギへの水の移動が起こっている
ちなみに、水ポテンシャル(単位:Pa)とは、植物の保水能力を示すもので、植物組織の水の化学ポテンシャルをモル体積で除した値である
オオバヤドリギが落葉樹に寄生した場合、宿主の光合成産物を獲得できる機会は、常緑樹へ寄生した場合より小さいと考えられる
しかし、落葉樹と常緑樹へ寄生したオオバヤドリギの光合成速度は同様であり、オオバヤドリギが宿主へ寄生する目的は、光合成産物の獲得よりも、宿主から水分や無機養分を獲得し、自律的に光合成をおこなう為であると推測される
一般的にヤドリギ類の葉には、宿主と比較して高い濃度のミネラル類が蓄積されており、これにより高い蒸散速度がもたらされ、水ポテンシャル低下に伴う宿主からの水移動を可能にしている
初版 2017年10月3日
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