花追い放浪記

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サイコクヒメコウホネ 環境省絶滅危惧Ⅱ類

2015-09-18 | コウの花図鑑

サイコクヒメコウホネは、湖沼や水路、河川に生息する多年生の水草

Nuphar subintegerrima(Casp.) Makino(広義のヒメコウホネ)は、東海地方に生育する小型のタイプ(狭義のヒメコウホネ)と西日本に生育する中型のタイプの2型の存在が指摘されていた

外部形態調査から、西日本に産するヒメコウホネは、狭義のヒメコウホネとは異なる分類群であり、ヒメコウホネ(狭義)、オグラコウホネ、コウホネの3種間の中間形を示すこと、および酵素多型分析から3種間の交雑由来である可能性がある

この事から、西日本に分布するものはサイコクヒメコウホネとして分けられた

 

狭義のヒメコウホネに関しては、愛知、岐阜、三重の狭い範囲に分布するもので、絶滅寸前との報告があるが、2020年度版環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧Ⅱ類となっている

環境省が対象としているのは、サイコクヒメコウホネを含む、広義のヒメコウホネであると思われる

また、2022年度版大分県のレッドデータブックには、ヒメコウホネとして絶滅危惧ⅠB類に分類されているが、これはサイコクヒメコウホネを指しているものと推測される

ヒメコウホネとサイコクヒメコウホネの分類については、混乱しているようだ

 

繁殖は、実生と根茎による栄養繫殖の2通りあるが、実生個体はほとんど観察されておらず、繁殖のほとんどは栄養繫殖と推測される

葉は、水上葉と水中葉を持ち、葉身は広卵形~狭卵形で、長さ10~30cm、幅7~20cmと狭義のヒメコウホネより大きい

 

学名:Nuphar saikokuensis Shiga et Kadono

和名:サイコクヒメコウホネ(西国姫河骨)

スイレン科 コウホネ属

環境省絶滅危惧Ⅱ類(広義のヒメコウホネ)

初版 2015月9月18日

記事アップロード 2022年10月18日

画像アップロード 2022年10月15日