サイコクヒメコウホネは、湖沼や水路、河川に生息する多年生の水草
Nuphar subintegerrima(Casp.) Makino(広義のヒメコウホネ)は、東海地方に生育する小型のタイプ(狭義のヒメコウホネ)と西日本に生育する中型のタイプの2型の存在が指摘されていた
外部形態調査から、西日本に産するヒメコウホネは、狭義のヒメコウホネとは異なる分類群であり、ヒメコウホネ(狭義)、オグラコウホネ、コウホネの3種間の中間形を示すこと、および酵素多型分析から3種間の交雑由来である可能性がある
この事から、西日本に分布するものはサイコクヒメコウホネとして分けられた
狭義のヒメコウホネに関しては、愛知、岐阜、三重の狭い範囲に分布するもので、絶滅寸前との報告があるが、2020年度版環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧Ⅱ類となっている
環境省が対象としているのは、サイコクヒメコウホネを含む、広義のヒメコウホネであると思われる
また、2022年度版大分県のレッドデータブックには、ヒメコウホネとして絶滅危惧ⅠB類に分類されているが、これはサイコクヒメコウホネを指しているものと推測される
ヒメコウホネとサイコクヒメコウホネの分類については、混乱しているようだ
繁殖は、実生と根茎による栄養繫殖の2通りあるが、実生個体はほとんど観察されておらず、繁殖のほとんどは栄養繫殖と推測される
葉は、水上葉と水中葉を持ち、葉身は広卵形~狭卵形で、長さ10~30cm、幅7~20cmと狭義のヒメコウホネより大きい
学名:Nuphar saikokuensis Shiga et Kadono
和名:サイコクヒメコウホネ(西国姫河骨)
スイレン科 コウホネ属
環境省絶滅危惧Ⅱ類(広義のヒメコウホネ)
初版 2015月9月18日
記事アップロード 2022年10月18日
画像アップロード 2022年10月15日