10月に見つけた野草の花(大分県)
ホトトギス(杜鵑草)
Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook.
ユリ科 ホトトギス属
花期 : 8~11月
生育地 : 山地の林縁、湿った岩場
分布 : 北海道(一部) 関東以西~九州
RDB指定 : 環境省カテゴリ:なし 大分県:絶滅危惧ⅠB類
湖畔の林縁にホトトギスが数株生えていた
見た瞬間、野生化したタイワンホトトギスかと思ったが、よく見ると葉腋に花を付けているのでホトトギスだ
民家近くの林縁では逃げ出したタイワンホトトギスをたまに見かけるが、これは園芸品由来のホトトギスか?
ホトトギスは崖から垂れ下がって生えているイメージが強いが、林床に生えている場合直立するようだ
昔は普通に見られる植物だったようだが、今では目にする事がなくなり、大分県では絶滅危惧ⅠB類と絶望的な状況になっていてる
この場所の株が、野生種なのか園芸品由来なのかはわからないが、見つけても盗ったりしないでほしいものだ
大分県の状況(レッドデータブックより)
県北地方の凝灰岩の崖や岩場に生えるが、人里近い岩場や渓谷などのものはほとんど採取され消滅してしまった所が多い
県内分布は、耶馬渓地区、英彦山・犬ヶ岳山地
ホトトギスは草丈40~80cmの多年草で、日本固有種
茎は崖から垂れ下がるか直立し、葉は卵状楕円形か狭卵形で互生、基部は茎を抱き、黒っぽいシミのような斑点がある
花は葉腋から花柄を出して2~3個付き、花被片は6枚で紫色の斑点が多数あり、基部に黄色の斑点がある
染色体数は地理的な変異があり、2n=24の多い地域と2n=26の多い地域があるとの記述が見られた
水はけの良い土壌を好み、空中湿度の高い場所が自生に適するようだ
葉や茎には毛が生える