7月に見つけた野草の花
キジョラン(鬼女蘭)
Marsdenia tomentosa C.Morren et Decne.
キョウクトウ科 キジョラン属
花 期 : 7~9月
生育地 : 林内、林縁
分 布 : 本州(関東)~九州
RL指定 : なし
撮影 7月、9月 長崎県、大分県
キジョランがアサギマダラの幼虫の食草だという事は、あまりにも有名である
アサギマダラの成虫は、幼虫の食草を間違える事なく選んで卵を産み付ける
アゲハチョウにおける研究では、産卵の前に植物の葉の表面を前脚で叩くドラミングと呼ばれる行動を行う
その際、前脚の先端にあるふ節の化学感覚子という毛状器官で植物に含まれる産卵刺激物質を認識するのである
おそらく、アサギマダラにおいても同様な方法で、植物を見分けているのだと思われる
アサギマダラの幼虫は孵化すると、さっそく食事を始めるのだが、キジョランの葉を食べる前に、葉をかじって白い乳液を出す
これは、キジョランが持つアルカロイドを抜くための行動だと考えられている
昆虫と植物の食べる、食べられるの関係において、植物は、昆虫に対する防御を進化させ、昆虫は、その防御を破るよう進化する
このような事を繰り返し、お互い進化を重ねる事を共進化という
このように、アサギマダラの幼虫も、キジョラン等特定の植物だけを食べるよう進化してきたと考えられている
ちなみに、アゲハチョウと食草の関係において、植物の系統的類似性より、含有化合物の類似性が重要だという事が判明した
初版 2016年9月13日
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