to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

五月の恋

2010-03-14 00:26:20 | the cinema (カ行)
原題 LOVE OF MAY/五月之恋
製作年度 2004年
製作国・地域 台湾/中国
上映時間 110分
脚本 ホアン・チーシアン
監督 シュー・シャオミン
出演 チェン・ボーリン(陳柏霖)/リウ・イーフェイ(劉亦菲)/メイデイ(五月天)

ネットで知り合った台湾の青年とハルピンの少女が紡ぐ爽やかな恋物語。
人気バンドのギタリストを兄に持つアレイ(チェン・ボーリン)は、ある日ファンメールにメンバーを装って返事をしてしまう。メールの相手は、中国のハルピンで京劇を学ぶ少女シュアン(リウ・イーフェイ)。互いにメール交換するうちに、アレイは台湾に咲く花“五月の雪”を見たいという彼女の願いを叶える約束をしてしまう。

先日偶然BSで放送されたものを観ました。
「暗いところで待ち合わせ」よりも前の、どちらかというとイメージ的には「藍色夏恋」のボーリンくんに近いかもしれません。
台湾で繰り広げられる爽やかな恋ばかりでなく、このタイトルの「五月の恋」には「五月の雪」といわれる花に込められた、
大陸の歴史にも触れなければならない想いがあり、可愛い物語になっていました

台湾で人気のバンド“メイデイ”のギタリストを兄に持つ大学生アレンは、兄に対して超えられない劣等感を持っていた。
そんなメイデイのアルバイトスタッフで、サイト管理も任されていたある日、
くさっていたアレイはファンカラノメールに、バンドの人気者アシンを名乗ってメール交換を続けてしまう。
相手は中国のハルピンで京劇団の学生だが、彼女もまた大陸に暮らしていることを隠し、
会う約束を取り付ける。。。

約束はしたものの、現実に会えば自分がボーカルのアシンでないことはバレル。
彼は一目でシュアンに惹かれ、去りがたく・・・尾行するのみ。

彼女が向かったのは、メールでアレイが約束した三義――。

物語はとても静かに進行します。
結局、カンのいいシュアンはアレイを捉まえ、改めて今度は二人で向かうそこは・・?

恋することで、いじけた投げやりな青年から、徐々に成長していくアレイ。
恋して相手を想う気持ちが、みつけたもうひとつの物語、
はるか昔の、故郷を想いながら台湾に身を置いていた男の郷愁に触れる。

そして舞台は極寒の中国・ハルピンに移り・・・・・
そして雪の路上に大きな油桐花が......咲きます

海角七号」では、終戦と共に散った日本人と台湾女性の恋がモチーフになっていましたが、
この作品では、中国人でありながら戒厳令によって38年もの間、外省人として台湾に暮らし、
終に孫に会うこともなかった男の望郷の念に、恋うる想いが花に託されていました。
可愛い初恋モノですが、それだけじゃないところも描かれていたのが良かった♪




台湾のラブストーリーを観ると、何気ないその背景が、
今の身の回りのどこにも見つけることの出来ない何かがあります。
この作品の場合、やはり本当にはらはらと雪のように舞う油桐花の中を歩くシーンでしょう。
たぶん観た事はあるでしょう桐の花の一種。
また行ってみたいところが増えました。“五月の雪”と呼ばれているようですが、見ごろは4月下旬だそうです。