録画していたNHKスペシャルを観ていたら、以前飼っていた犬を思いだした。
イングリッシュ・セッターのジェームス。
大きくて顔は怖いけど、臆病な優しい犬だった。
夫を突然亡くした私は娘達の前では泣くことが出来なかった。
朝に夜にジェームスと歩きながら泣いた。
道に座りこんで、大きなジェームスの背中にしがみついて泣いた。
彼はただじっと、ひたすらじっと私の悲しみを受け止めてくれた。
ジェームスは実はずっと夫の帰りを待っていた。
なかなか帰らぬボスを不思議に思いつつもボスがいない間、家族を守ろうと思ったようだ。
だからずっと私達を守ってくれた。
いつも優しい目をしていたジェームス。
TVの中のセラピードッグのベイリーの瞳に同じものを感じて涙が溢れた。
ジェームス、お別れして20年以上経つけど、やっぱり時々思い出すよ。
虹の橋のたもとで、私が行くのを待ってくれてないよね。
君はお父さんが大好きだったから。