夫の急逝から25回目のお盆が来る。
若さをあげると言われてもあの頃には戻りたくない。
それほどに衝撃的な出来事だった。
当日まで働いて帰って来てその日の夜中に急に亡くなるなんて誰が想像したろう。
…仏壇を掃除していたら、彼の眼鏡や運転免許証、車の鍵が出て来た。
急に帰って来て仕事に行くのに困らないようにって仏壇にしまったまま24年が経ったのだ。
今思えばおかしいんだけど。
お葬式もしたんだけど、いつかひょっこり帰って来るような気がして。
「幽霊でもいいから、会いたいね」って娘達と泣いた。
一日一日諦めて、諦めて。
前を向けるようになったのはいつからだっただろう。
辛いことや悲しい事があると夫が知らずに済んで良かったと思い、
嬉しい事があると夫がいたら良かったのにと思ったり。
夫の介護しなくて済むわー、なんて罰当たりの事を思ったり
諸々の思いを抱えつつ、それでもやっぱり生きていて
欲しかったな。
彼は夫であり、価値観の合う最良の友だった。