「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ニュースを検証するとメデイアの実像が分かる<2023年7月

2023-07-22 07:08:00 | 日本の社会

 ワグネル「脱プリゴジン」、プーチン氏が新トップ提案か…車列60台ベラルーシ入り
2023/07/15 21:51
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230715-OYT1T50221/

記事を読んで呆れました。
この中に事実かどうか不明だが確認されている状況が、いくつあると思いますか?

たった二つです。
<イ>「ワグネルの部隊と思われる車列が約60台ベラルーシに入国した。」
確認したのは、ベラルーシの独立系軍事監視団体「ガユン」だとされています。

<ロ>「ワグネルの兵士がベラルーシ軍の訓練にあたる」
これは、ベラルーシ政府が広報しました。

それ以外は、真偽不明の話ばかりです。
一番は、プリゴジン氏とワグネルの指揮官がモスクワでプーチン氏と面会した話です。これは、有力紙コメルサントの取材に対しプーチン氏が答えたと言う触れ込みですが、誰もそれを確認した人間は、いません。
コメルサント紙がロシア政府に協力して情報操作をしている可能性が疑われるケースです。確認できない以上、真偽不明と言うしかありません。

ロシアのメデイアの信頼性は低いです。普通は、ロシア政府広報かプロパガンダを垂れ流しています。そのロシアのメデイアが情報源ですから信頼度の低い情報です。

「反乱に参加した戦闘員は8月まで休暇を取っているとの証言もあり・・」
証言があれば正しいように聞こえるでしょう?
実際には、ワグネルの指揮官の一人がコメントしただけです。ワグネルの部隊は、野営地で完全武装で待機していたと思われます。根拠は、兵器を国防省に返却したのは、ごく最近です。かなり膨大な量の兵器をワグネルが保有していたと言うことは、ワグネルの部隊は兵器を持ったまま野営地にいたことになります。
そうすると、戦闘員の休暇の話は一部の戦闘員の話かもしれませんし、そもそもカモフラージュかもしれません。

「ワグネルは露国防省か治安機関の傘下に入るとみられる。」

そうならないために、今やっとワグネルの部隊の一部はベラルーシに移動したようです。
ワグネルの部隊には、二通りあります。
①ウクライナ紛争前からのメンバーである、本当の意味での傭兵・推定5000人~8000人。
②ウクライナ紛争後に刑務所で募集された囚人兵。
推定2万人前後。

このうち①は、ベラルーシに移動すると思われます。
②は、今後身の振り方をワグネルとロシア国防省が話し合って決めるでしょう。合意の中身は、国防省と契約して引き続き今度は、ロシア軍の正規兵として働くことも可能ですしワグネルを除隊して帰ることも可能です。どちらにするかは、囚人兵自身が選択すると思います。

そしてワグネルは、元々ロシア国防省と治安機関の傘下の組織です。仕事を請け負い方式でやってきました。傘下の組織が傘下に入るのは、意味が分かりません。ロシア政府は請け負い方式を正社員方式に切り替えたいのです。つまり、傘下に収めるのではなく、吸収合併したいのです。言葉の使い方を間違えています。その違いが記事から分かりましたか?
ロシア国防省が無理やりワグネルを吸収合併しようとしたところ、ワグネルがそれに反発して従わなかったのがワグネルの武装蜂起事件です。

※これだけ長々と書かれている記事のうち事実であろうと考えられるのは、<イ>と<ロ>だけです。他の部分は、ほぼロシア政府の情報操作に協力しているのと同じです。真偽不明の事をさも事実であるかのように書いています。裏付けは、何もありません。噂話を書いているのと同じです。
つまり?
全く、記事にする必要のない内容を報道している事になります。むしろ、するべきではないと思います。報道して良いのは、<イ>と<ロ>だけです。

そして記事の中で捏造した部分もありましたね。

ワグネルの休暇の部分です。
ロイターの記事を読む限り「証言」とは書いていませんでした。あくまで部隊指揮官の一人がコメントしたという書き方でした。
「コメント」が「証言」に置き換えられています。

私が見るところでは、余りに粗雑だとしか言いようがありません。少なくとも私は、日記では絶対に書かない内容です。真偽不明の内容を事実のようには、書けないでしょう?

新聞が書けば事実のように読者が受け止める可能性もあります。ほぼロシア政府の情報操作と疑われる内容を書く必要もないし、書くなら情報操作の可能性を併記するべきです。こうやって、フェイクニュースが拡散していきます。



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