秋風吹いて

やっと涼しい季節がやってきた。この数年暑い日が続き、関東以西の暑さは尋常でなかった、このなつの間に親しかった友人二人が天に召されたが、暑い日であったが
最後と思い近くであったので葬儀に参列した。中学からの友であった。もうひとりは仕事の客先の部長職の友人であった。ｌ引退して天草に帰り奥さんと二人で
透析をしながら蘭を沢山育ていつもメールで写真を送ってくれた粋なひとだった。渓流釣りが趣味で、弊社の工場近くの千曲川に鮎釣りに来られ温泉宿で語り合った大企業の
方には珍しい温厚な方で数年前には家内ともども天草に旅し、島原半島を一周しキリシタンの教会巡りをさせてもらった。懐かしい思い出である。
会社というのは面白いもので色々な人と出会いがある。彼とは名古屋の放送局の子会社の部長であったが名古屋の人と付き合い方は難しいと若い私はいつも思っていたが、
彼とは何故か打ち解けて、お互いのかみさん連れてのつきあいになった。人間って何処でどうなるか分からないが長い会社人生のなかで大企業だろうが下町の町工場だろうが
やっぱり人間同士の魂の見えない繋がりがあるのだとつくづく思うこの頃である。今この時期政治の世界においては誰が日本のトップになるかという話題でもちきりだが
せめて見せかけの人間関係だけでなく、魂のふれあうような情をもってほしいものだ。何しろ大国日本であるこの国を引っ張っていく先頭打者なんだからホームランで
無くていいからコツコツと小さいことからでもいいので歪んだ所を治しながら良い人にかじ取りをしてもらいたい。涼しくなって頭もクリアになってきたこの秋風が
日本の掃除をするきっかけとなるように祈るばかりである。