全てが雪に染まった夜更け、白無垢に身を包んだ美しい娘が一人。
彼女は鷺の精。
恋に揺れる娘心を華やかに舞い踊った果てに蘇るのは地獄の責めの記憶。
降り始めた激しい雪に身もだえながら力尽きていきます。
近年はバレエの「瀕死の白鳥」になぞらえられることが多いようですが、娘踊りの華やかさと、責め苦に狂い踊る凄惨さをの対比を純粋に楽しんでもらうことが当初の眼目だったようです。
西川はつ寧 名披露目
得意の台詞を封印して、西川流の許し物で有名な演目「鷺娘」を踊り込んでみることにしたのに、様々な怪我に見舞われ、アスリートのようなチームを作ってメンテナンスしながら、必死のお稽古でした。
お稽古中で当日の出来栄えが最もよかったと思います。
そのすらりとした姿は鷺の精にピッタリでした。