小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

日本の農業は

2007年11月07日 | 政治・経済
  9月27日に(九月)議会が終了した後、10月からこの数週間は、決算審査特別委員会終了後の臨時議会や、全国市議会議長会の研究フォーラム(熊本市)、おおいた市政クラブの行政視察(長崎市)、地方分権等調査委員会の行政視察・研修(東京都&岡崎市)、自治体議員団会議(熊本市)、農業委員会の研修会(津久見市・宇佐市・杵築市)、休日には、地域の体育協会等の行事や大会などが重なり、慌しい日々が続いています。
 それに加え、168回臨時国会開会中ということもあり、このところ社会のいろいろな動きが目まぐるしく、多社の新聞を読み、各社のテレビニュースを見ておくという機会が増えています。

 そんな中、「忙しさ」にかまけて、何か「忘れ物」「置き忘れ」をしていなければ良いがと、いささか気になる時もありますが、それでも、(生意気ですが)「忙中閑あり」で、最近は、3~4時間位の時間が空けば、妻と二人で炭酸水を汲みに行くことを楽しみの一つにしています。
直入経由で由布市阿蘇野の片田舎までドライブします。不思議なことに、そんな時必ずといっていいほど、一人や二人の知り合いに出くわすことにビックリです。同年輩もしくはそれ以上の友人・知人ですが、やはりどなたも健康管理に気をつけていらっしゃるのだなと思ったりします。

 さて、前述したそれぞれの会議等に参加・出席して勉強してきたことを、これからの議会活動に多く生かせるよう、一つひとつを少しでも整理しておきたいと思っていますが、中でも、最近出かけた農業委員会の研修では、日本の第一次産業として基幹産業でもある農業について、認識を新たにする事がありました。それは、いま日本全国で「耕作放棄地」が相当数に上っているという事でした。

 「耕作放棄地」とは、文字通り、今日の農業を取り巻く環境の中で、これ以上営農を続ける事が出来なくなった従事者(農地の所有者)が、農地を荒らし、管理しなくなった土地のことを言います。(中には、遊休農地という程度のところもありますが)
 これに着目した農水省は、これから5年間でこれを解消しようという計画を、政府の経済財政諮問会議に諮り、決めました。

 ただ、この農水省の計画は、関係者の話によると、「そうなった原因はおろか、現状の分析などは見当たらないに等しく、単に5年で解消するという(机上の)計画を羅列しているだけだ」との厳しい批判があります。

 それもそのはず、研修会の中で長々と説明を聞いていると、我々素人の目にも、なぜ今日こうした耕作放棄地が増え、政府として特別の対策を執らなければならなくなったか(しかも全国的に)については、定かではありませんし、説明がありません。これでは、絵に書いた餅といわざるを得ず、前述の農業従事者の批判がもっともだと感じました。

 また、他の研修会参加者から、「日本の農業が今日の状況に至ったのは、政府の減反政策にあるのではないか」という強い指摘も出ていましたが、それもそのはず、日本には、米づくりの環境が十分あるにもかかわらず、政府は農民に減反を強要する傍ら、外国から、事もあろうか米を輸入する代わりに、自動車を中心とした工業製品を輸出するという取引をしてきました。そういう政策を執りました。

 今回、こうした政府の農業政策の下で、少しでも遊休農地や耕作放棄地を無くそうと努力されている地域を訪ねてみましたが、広大な農地が確保できる地域は良しとしても、山間部にある耕作放棄された農地は、手の施しようがないという実態で、しかも、農業の若い担い手が不足しているのみならず、平均70歳代の高齢者が自らの農地を必死で守ろうとしている事を伺い、日本の農業をどうにかして、「若者が担う、食える農業」「生活できる農業」に変えていかなければと言う思いを持つに至りました。

 もちろん、今時点の私にそのための政策はもちろん、能力があるわけではありませんが、農業委員会の一員として研鑽を深め、問題点をしっかり把握した上で、かつ、民主党の「直接支払い制度」などをはじめとする農業政策を、地域に少しでも広めていけるよう努力しなければと考えた次第です。