小嶋つうしん(号外)

(元)大分県議会議員 小嶋秀行の徒然ブログ

限界集落

2008年05月13日 | 社会
 最近“限界集落”という言葉が、方々で使われるようになりました。今年に入り、県議会でも市議会でもこの論議がありました。

 この“限界集落”は、明確な定義があるわけではありませんが、『高齢化により65歳以上がその集落の人口の50%以上を占め、自治会など共同体の機能維持が限界に達している状態の集落』を言いうようです。

 国土交通省が2006(平成18)年4月時点で行った調査では、四国、中国地方を中心に7878カ所。人口減などで消滅の恐れのある集落は2643ヶ所に達していると言われています。

 私の育った実家(地域)でも、今ではほとんどの住人が65歳以上です。改めて限界集落という表現を実感として受け止める事ができます。

 今にして考えてみると、私の実家地域では、戦後の昭和20年から30年代に生まれ育った頃がピークだったようです。小学校でも50人学級が1年から6年まで、一クラスずつちゃんと構成できていました。いまでは、全校で15人程度、複式学級が何年も続いています。数年前は入学する子どもが一人も居なかったともいいます。

 若い世代は、その殆んどが就職するため大分を中心に都市に出てしまいます。かく言う私も、一家の長男として生まれたものの、先祖の代から続けてきた小規模農業だけでは、充分生計を立てる事ができないこと、そして、子どもにはこんなつらい思いはさせられないという気持ちも重なり、親達がそれを望んではいませんでした。その上、(昭和40年代にはすでに)高校を卒業したら田舎を出て“都会”で就職するということが、ほとんど常識化していました。

 “時代の流れ”と一言でいってしまえば、それまでですが、「社会の持続的発展」という言葉が、いかにも空虚な言葉に聞えてなりません。一方で、大都市への一極集中が極度に進行しており、方や地方では「限界集落」化が急速に(逆比例して)進むという実態が、今は顕著です。

 ただ、都市化が進む場合は、街づくりの法律を書き換えてでも対策を打とうとしますが、次第に絶えていこうとしている町には、対策が今は全く見当たりません。

 そんなことから、先日、民主党の会議があった折、少子化・高齢化が著しい日本社会の中で、限界集落への対策が国の段階でも必要なのではないかということを提案してみました。

 今の段階で有効な具体策を持ち合わせているわけではありませんが、今後、街づくり全体の問題として、基礎自治体でも、このままにして置いてはならない課題だと思います。