ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

スコットランドから

2008-07-30 11:41:02 | Weblog
久し振りのポリーチャンからのメールは、寒いスコットランドの気候から
始まります。霧が立ち込めているエジンバラですって。彼女が居を構えている
場所です。誰かと比べるのは愚の骨頂ですが、JKローリングのように、世界中
の人々を感動させる、喜ばせる、意表をつく物語の作り手になって欲しいって、
人のことですから何とでも言ってしまう無責任な日本の母?祖母?ぐ~んと年
長の友人です。同居家主の元・眼科医さんはご旅行中らしくて、一人静かに執
筆中のポリーチャン。週1回、東大出の日本女性に日本語を習っていると言う
才媛のその日本語上達には舌を捲きます。日本人からのメールのようです。

この猛暑の中で毎日ふ~ふ~言ってるこちらからしたらなんとも羨ましくも、
想像し難いUKの夏です。イギリスの夏は快適って言ったのはリンボーこと林望。
でも、涼しいじゃなく寒いって、ピンとこないのですが、北極海から流れ込む
冷気のせいかも。でも、湿っぽくて寒い夏って、これも想像しがたいわね。

年々温暖化が進み、フィッシュ&チップスの鱈の漁獲量が減少傾向で、イギ
リス名物にはならなくなりそう。日本の焼き芋と同じように、道路端で、
新聞紙に包まれた熱々それを食べていた風景も最早なく、私がそれを食べたのも、
ビール片手のパブでした。
北の食べ物がなくなるかも知れない、寂しい世界に傾斜?

高校時代の友人が読んだという「プラハの春」元・外務省勤務作家。
ドブチェクという名前は私の記憶の中に生きています。一夜にしてソ連軍が
進行占拠した、今はなき国名チェコスロバキアの首都プラハの出来事。
「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ。その時代を生きた、ヨーロ
ッパでも屈指の作家のそれは、その事件を知らない人には難解な物語ですが、
読み応えのある、ヨーロッパ特有の、日本人には決して肌で感じることは出
来ない歴史が背景にある重い物語です。そのプラハの春と言われる劇的な衝撃
を体験したという日本人、しかも外務省勤務の元・役人が書いたという本を
友人の「疲れた~」の感想に、早速オーダーした私です。クンデラの本に出会い、
(ちょっと遅すぎましたが)それに魅了された私に、久し振りの友人から
プラハの春なんて言葉を聞くことになろうとは、人生って面白いものです。

北方謙三「水滸伝」は、まもなく終わります。中国語をもっともっと理解でき
るようになったら、奇想天外物語、四大奇書の一つ、けれども宋の時代に
生きた宋江という実在の人物を軸に書かれた108人の漢(おとこ)達のお話
を読めたら、どんなに楽しいでしょう。「封神演義」に通じる荒唐無稽物語を。

日本語のお勉強に真剣に取り組んでいるポリーチャン。
今年も彼の地で「日本語検定試験」に挑戦する彼女のようです。なんで?
どうしてこんな問題を作るの?という問題ばかりです。日本人の私から見て、
これは落とすために作られている問題って。でも、デーブ・スペクタ-も、
パトリック・ハーラン(パックン)も、この難解な日本語を理解して検定
1級を取得しているのですから脱帽です。
敬語・丁寧語・謙譲語を含む文法も知らなくては1級問題は解けないでしょ
う?因みに、我が友人のご夫君が受けた去年秋のスペイン語検定1級問題に、
かの進化論のダーウィンの「種の起源」に関する記述について質問があった
そうな。言葉を知っていればいい!? いいえ、広く教養を要求されるもの
のようです。教養って、深く広い知識がベースにあって初めて身につくもの
ですから、出たとこ勝負ではいけません。

又、新しい作家に出会えそうです。初めましては、いつもトキメキがあります。
「竜馬が行く」で、出会った司馬文学に、私は魅了されました。彼が亡くなる
までどれほど新しい物語に出会えるのを楽しみにしてたでしょう。ですから、
彼岸に旅立った彼の人の死を 身内の死以上の悲しみで受け止めたのを昨日の
ように思い出します。