医学博士 米山公啓著 集英社 P150より引用
ISBN978-4-08-781406-4 1ooo円+税
ーーーーーーーーーーーーーーーー
前向きの脚色で人生を豊かに
「自分に都合の悪いことは全部忘れて
都合のいいことばかり覚えている自分
勝手なヤツもいるよね。それも人間の
忘却機能のナセル業かな」
だれかを思い出したように、沢木さ
んが言った。確かに記憶は、自分に都
合がいいようにどんどん変えられてい
る。大脳の中で反芻しているうちに、
自分に都合のいいように記憶が変化し
ていくのだ。同窓会などで懐かしい友
人に会ったとき、自分がまったく覚え
ていないことや、自分の記憶とは別の
ストーリーが語られることがよくある
が、それも忘却機能の働きである。
「そうそう、まったく違う話になった
りすることがあるもんね。ケンカの話
になったら、先に殴ったのはおまえだ
って、お互いに言い張ったりして」(略)
前向きの思考は長寿の秘訣のひとつ
で、100歳以上のお年寄りに共通の
性格である。前向きということは、い
やなことは忘れてしまうという脳の仕
組みを、うまく使っているということ
だろう。(略)
前向きの性格の方が認知症になりに
くい、ということも覚えておこう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼いやなこととか、忘れてしまいたい
ことなどは、積極的にわすれてしまっ
た方がよさそうです。せっかくの脳の
機能ですから、大いに使って前向きに
生きたいものです。どうしても同窓会
などは学生時代に完全に戻ってしまい
記憶のオンパレードになってしまいま
す。せっかくいやなことは忘れている
のに頼みもしないのに、だれかが思い
だしてくれる。それはそれでいいので
すが前向きの話も少しはあってもいい
のではないでしょうか。理想的には半
分半分になればいいですね。また来よ
うという気分になれます。
こめぞう