取り組みが容易な夏野菜に「カボチャの栽培」がある。例年、決まって栽培していたのだが、若き挑戦者のO氏の出現によって地殻変動が生じあえなく中止となってしまった。カボチャ畑を彼に提供したのだ。事情あって彼が転勤となり、再び挑戦の機会が巡ってきた。数年ぶりにカボチャ栽培へと意欲を燃やしている。カボチャ栽培には多種の手法が存在するが、仲間内では以下の3種類に大別される。①棚を作り棚上でのいわゆる空中栽培、②地面に稲藁等を敷き詰めてベッド状にしてその上で栽培する、③ツルを地上に這わせ実の下にはトレイを敷く、選択は栽培者のお好みによる。
現行では上記の①が大勢だ。元々は師匠が始めた栽培方式だが、実の出来が綺麗なため商品栽培に向いている。何せ美観が重視される昨今、品質に差違が無くとも美観が不味ければ敬遠される。商品価値が低いのだ。仲間内でも主流派の栽培方式であろう。引き続いては②の稲藁敷き詰め方式、これも上記①と同等効果をもたらすが、大量の稲藁が要求される。事実上、稲作農家で無いと困難であろう。最後の方式が子狸の採用する手法だ。①②に比べ手抜き方式と揶揄されても致し方無い。棚を作り上げる体力も敷き詰める稲藁も無い子狸が選んだ苦肉の策だ。
早めに山の神に頼み込み、刺身等が入ったトレイをかき集めておく。このトレイを逆さまにしてカボチャの実の下に敷き詰めるのだ。カボチャが地面から浮くので、泥まみれにならず美観を損なうことも少ない。何よりも労力的にお手軽である事が有り難いのだ。今年もこの方式で挑戦しようかと思っている。
さて今年のカボチャ畑だが、例の母子二人組へ半分は提供した。残り半分の面積だが、我が家と百姓候補生氏の2軒分位は栽培可能であろう。既に種蒔きした分も発芽し、スタンバイしている。もう少し大きめになったら移植し、ビニールキャップを装着する予定だ。