昨日は南禅寺に寄せていただきましたが、今回は塔頭寺院にもぜひ行きたいと思っていました。
その一つが「金地院(こんちいん)」という寺院です。
この金地院は、以心崇伝(いしんすうでん)という僧が再興したと言われています。
以心崇伝は僧でありながら、徳川家の政治にも大きく関与し、武家諸法度や禁中並びに公家諸法度の起草にもかかわったとされています。
歴史の物語では、この崇伝が方広寺の梵鐘にに書かれていた「君臣豊楽」と「国家安康」という文字にいちゃもんを付けたという話がよく登場しますね。
金地院に住んでいたので、「金地院崇伝」と呼んだり、「黒衣の宰相」と呼んだりされています。
この寺院の庭園も南禅寺方丈と同じく大名茶人と呼ばれた小堀遠州の作でした。
これが鶴島で、左側が長く飛び出した首だそうです。
もう一方は・・・。
こちらが亀島だそうです。
鶴と亀を配置して、縁起が良いと言われていたようです。
寺院をたくさん見て回っていますが、こうした鶴と亀の庭は結構多いですね。
小堀遠州さんの似顔絵があったので、撮影しておきました。
他にも、長谷川等伯さんが描いた猿の絵がありました。
ふすまにそのまま書かれていたのですが、撮影出来ないので、パンフレットを撮影しておきました。
水墨画で、固い筆で鋭く描いておられました。
猿は池に写った月を取ろうとして、手を伸ばしているところらしいです。
この絵の意味は、身の丈に合わないものを得ようとすると、池に落ちてしまうので、自分をわきまえて高望みなどしないようにと言うようなことらしいです。
いかにも、禅宗の教えっぽい考え方ですね。
猿が月を捉えようとする図という名前でした。
この写真は、八窓席という有名な茶室です。
この茶室も小堀遠州さんがつくった狭い茶室で、八窓席という名前なのですが、実際には六つしか無いとのことでした。
元から六つだったのか、初めは八つあったのに改築して六つになったのか、わからないとのことでした。
私の大好きな長谷川等伯さんの絵が見られて感激して帰りました。。。
黒衣の宰相と呼ばれた以心崇伝さん、作庭家の小堀遠州さん、狩野派と対抗していた長谷川等伯さん、大変盛りだくさんの寺院で満足しました。
大きな寺院だけでなく、境内にある塔頭を歩いてみるのも、なかなか楽しいものだと思いました。