年中、毎週、山を歩く生活を続けていると、足の指の爪がよく伸びるから、メンテナンスも忙しい。
人間60歳過ぎたら身体は劣化するだけだから、爪も伸びるのを止めてくれれば楽なんだが、使ってるうちは元気なようで、なかなか伸びる速度が遅くならない。
左膝を傷めておっても歩くことで治すようなことだから、その間は左の足の爪の伸びる速度は遅くなってた。
自己治癒能力という、現代医学でも敵わない力が、懸命に治療にあたっておった証拠だろう。
足の爪は長いまんまで山に登ると、下りにテキメンその影響が出て来る。
すでに潰れてしまってる指ばかりでも、爪の塊は大きくなる。
それを切るというよりも削っているのが本当だが、爪の塊が肉に食い込んでくると痛くなる。
だから足の爪のメンテナンスは大事なんだ。
若い頃は不動産の訪問販売で日本中、仕事でも田舎の村をよく歩いたもんだった。
重い部材を背負って、ひたすら歩き回っておった。
剣道やラグビーをやっておった身体だから、基本的に強いんだろう。
腹に肛門がやってきても、いまでは普通の健常者とおなじ日常に戻ってしまってる。
やってることはすべて同じでも、ガス抜きと排便と4日に一度のパウチの交換とメンテナンスだけが違う。
体重は2キロ増えて75キロ、176cmで75キロだと、山を歩くにはチョいと重い。
牝馬は寒くなると太るが、俺はオスなのに寒くなると太る。
一昨日、山を降りて地元で買ったクルミゆべし、一個がデカくて、ひとつ喰らうだけで腹がずっしり重くなるような、そんな美味い昔ながらのゆべしだった。
土産物のゆべしとは、ぜんぜん別物だった。
先週の妙義山の帰りに買った山ぶどうは、不味かった。
・・・土産は、いま自分の腹に・・・
当たり前のことだが、それを勘違いしてる観光客は、誰かのためにと買っている。
毎週あちこちに出掛けておれば、俺みたいになるわな。
いつもどこぞの遠方の山に登ってる、これが日常になれば、いちいち土産など言わんだろう。
なんでもトコトン生きておれば、半端な詐欺にはひっかからない。
昔は富士山詣でだとか大山詣でだとか、御岳山詣でだとかの講が栄えた時代、その詐欺はピークだったろうが、いまではその辺の観光地に行けば、講の証しではなくって土産という名で人に消費させている。
講は代表団が山にある奥の院に登り、そこでお守りやらナニやらを買いこんで、資金を出して待っている村人たちにそれを配った。
今は東京に居れば誰でも日本中の土産は手に入る時代なのにね。
いつの時代も、自分では動かない人、これは詐欺の被害者の最たる上客。
都会で蠢き回るのではなく、日本の山や海へと出掛けて行く、これ大事。
銀座は相変わらず、のほほんだ。
メンドクサイ仕事ばかり、溜まってきてる。
北岳に登ってきたという周旋屋が遊びに来てたが、俺よりも6つ年長者なのに元気なもんだ。
勃起した男根の硬さは、俺の方が硬いだろうが・・・。
すでに高い山は真冬と呼んでも良い。
それでも登山者は多かったらしい。
初詣に行列を為すのとおなじで、良いことは分母の数字に反比例する。
俺は人のいない里山歩きに、いまは精を出している。